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【完結】追放された鍛冶師はチートスキルで伝説を作りまくる 〜婚約者に店を追い出されたけど、気ままにモノ作っていられる今の方が幸せです〜  作者: 茨木野
二章

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139.まず食糧



 砂漠エルフの事情は理解した。

 ようはこの南の国フォティヤトゥヤァが、ミダガハラ火山の活性化にともなって人の住めない土地になった。


 そこで、このリクガメにみんな移り住んだ……ってわけだ。


「今はいいですが、このままずっとここだと……」


 砂漠エルフのハオちゃんの母親、アンんさんが暗い顔で言う。

 ふと、気になったことをきく。


「食料どうなってるんだ?」

「村から持ってきた保存を、みんなで分けてあって食べています。ただ……それももうつきかけております……」

「水は……?」

「貯水タンクがあるんです。それも同じで……」


 なるほど、水も食料もつきかけてるわけか……。


「このままでは早晩、みな死んでしまいます……」


 ふぅむ……。そうだよな、もともと避難用に作られてないもんな、この建物。


 俺は周りを見渡す。


 砂漠エルフのみんなは、暗い表情でうつむいてる。

 固い地面に横になって、耐えている。


 ……こんなの駄目だ。


「よしわかった。俺に任せとけ」

「ほ、本当ですか?」

「おうよ」


 俺は(ボックス)から、神鎚ミョルニルを取り出す。

 そして……。


 ドサドサドサッ……!


「これは、さっきのクラーケンの死骸?」

「そう。そんで、まずは……ヨウ!」


 こくん、と火の勇者ヨウがうなずく。

 魔法矢を取り出して……。


「……鳳の矢フェニックス・ショット


 ヨウが放った炎の魔法矢が、クラーケンの触手を良い感じに焼く。

 その上から、俺はボックスに入れておいた調味料を振りかける。


 ほわん……とうまそうな匂いがただよう。


「ポロ」

「はい! カッティングですね!」


 俺の意図を悟ったのか、ポロがうなずくと、2本のナイフでクラーケンの触手をすぱぱぱんっと切っていく。


 (ボックス)からデカい皿を取り出す。

 ポロの斬ったクラーケンのあぶり焼きが、皿の上にボトボトと落ちる。


「まずはクラーケンのあぶり焼き! お上がりな!」


 砂漠エルフ達が困惑してる。

 クラーケン食べられるのかって思ってるのだろう。


 ハオちゃんは一番に飛びついて、かぶりつく。


「おいしー! おいしいよおう! こんなおいしいのたべたことないよ!」


 ハオちゃんの言葉を聞いて、警戒心を解いたのか、砂漠エルフたちが近づいてくる。


 みんな一口食べると……。


「うめええ!」「なんだこれ! うますぎるだろ!」「あまじょっぱくっって最高!」


 よしよし。

 俺はお手製の調味料を振りかけておいたのだ。


「すごいですね、これ。なんていうんですか?」

「醤油、それとバター。醤油は極東の調味料だな」

「なるほど! こんな美味しくなる調味料を作れるなんて、すごいですヴィル様!」


 いやいや、作ったのは極東の人だし……まあいいや。


「さ、何はともあれまずはメシだ! 食べようぜみんな!」

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