120.火と光闇の勇者
ポロはヨウに頼んで、手合わせしてもらうことになった。
見返りはヴィルのことを教えてもらうこと。
どうやら思ってるよりも、ヨウは普通の人っぽくて、ポロは親近感を抱いた。
ふたりはホテルの外に出て、夜の砂漠にたつ。
ポロは黒い長刀、夜空と、光のナイフ、ルクスを手に取って構える。
一方、ヨウはヴィルからもらった新しい弓を手に持っていた。
夜風が彼女らの髪の毛をなでる。
弓矢を持ったヨウから漂う雰囲気は、異質極まるものだった。
殺気というものをまったく感じ取れない。
「では……手合わせお願いします!」
「…………」
こくん、とヨウがうなずく。
手合わせが始まる……と同時にヨウが消える。
「!?」
夜闇に消えたヨウ。
ポロは彼女の姿を探すも……。
どがっ! と側頭部に強い衝撃を覚える。
「なっ……! どこから……」
ヨウの姿が本当にどこにも見えない。
月明かりがあたりを照らしており、少しはみえるはずなのだが……。
ヨウは完全に気配を絶ち、攻撃してくる。
どがっ、どがっ、とポロの膝裏に矢を放ってきた。
かくんっ、と態勢が崩れると、今度は脳天めがけて矢が放たれる。
『ままぁ、額!』
「っら!」
それはなんとかルクスで弾いた。
ルクスが攻撃を察知して教えてくれなければやられていた。
「はあ……! はあ……! す、すごい……」
勇者によって戦い方は様々だ。
氷の勇者キャロラインは、氷の異能をメインに。
雷の勇者ライカは、雷と物理攻撃でガンガンせめてきた。
ヨウはそのどれでもない。
相手の視界から姿を消し、死角を衝いてくる。
まるで、獣を狩る狩人のようであった。
「…………」
そうか、とポロは何かをつかみかける。
だがつかむ前にヨウが絶え間なく矢を放ってきた。
「っしっ!!!!」
ポロは両手の剣で矢を裁いていく。
この戦いでまた一歩、勇者に近づけるような気がした。
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