114.サイズを計りましょう
《ヴィルSide》
俺は火の勇者ヨウの、専用武器を作ってやることにした。
ホテルの一室にて。
「そんじゃ、採寸すっか」
「……!?」
ヨウがくわっと目を見開く。
こいつあんまりしゃべらないが、別に感情が無いって訳じゃないんだよな。
普通に驚いたり、笑ったりするし。
「……なぜ?」
「なぜ? ああ、服でもないのになんで測るのかって?」
こくんこくん、とヨウがうなずく。
「いやおまえ、得物は弓だろ? 腕の長さとか、身長とか、関係してくるだろ」
弓を使うならなおさら、その体にあった弓を作ってやらないとな。サイズを測るのは必須だ。
「…………」
ぷるぷるとヨウは震えたあと、なんか覚悟を決めたような顔になり、ばっ! と両腕を広げる。
「えーと……ふんふん。バストがこれで、腕の長さがこんなもんで……」
俺は測った寸法を、紙に書こうとして……がしっ、と手を捕まれる。
「え、なに?」
「……なぜ?」
「なぜ? ああ、巻き尺とかでなんで測らないのかってこと?」
こくんとうなずく。
なるほど、確かに洋服屋とかいくと、メジャで測るもんな。
「俺は近くでじっくり見れば、だいたいのサイズがわかるんだよ。腕のながさとか、身長とか諸々」
がっくり……とヨウが肩を落とす。
あれぇ? 俺なんかやってしまったろうか……?
「……ラッキースケベを、期待したわたくしが、恥ずかしい……!」
「? まあちょっと待ってな。直ぐ作るからよ」
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