109.野営
《ヴィルside》
俺たちは火山へ向かっている。
道中モンスターの襲撃にあったけど、特に苦労することもなく対処できた。
砂漠をえっちらおっちらと歩いていたのだが……
「そろそろ日が暮れますね」
「おお、そうだなぁ」
西日が差し込んできている。
まもなく日が落ちて、寒くなるだろう。
「野営すっか。砂漠の夜は寒いっていうしよ」
「そうなのですね、さすがヴィル様、物知りですね!」
「まあじーさんの受け売りだけどもな」
俺のじーさん、先代の八宝斎は、全国修行の旅に出ていた時期があったらしい。
そんときの武勇伝を聞いてたので、色々知ってるってわけ。
「ヨウ。野営するでいいよな?」
「…………」
こくん、と火の勇者が頷く。
せっかくきれいな顔してるのに、またマントを頭からかぶって、素顔を隠してる。もったいないねえ。
「野営といいますが、どうします? できそうな場所探します?」
「いや、探さなくていいだろ。ここで泊まれば」
「といっても周り砂ばかりですが」
俺は■から、魔道具を取り出す。
「それは……虫ピンですか?」
裁縫する時のやつな。
「魔道具だよ。こうやってピンを、地面に刺すと……」
地面の砂が、ずおおおおお! と変形していく。
一瞬で、それはもう立派なホテルが完成した。
「な、なんですかこのホテル!?」
「どこでもホテル。このピンに錬成のスキルが付与されててな、地面に刺すことで、周囲の鉱物を使い、あっという間にホテルを作るんだよ」
俺がテキトーに作った魔道具である。
「す、すごい、こんな大きくて立派な建物を、一瞬で作ってしまうすごい道具を、テキトーにつくってしまうなんて!」
すごいかな?
まあ便利かなとは思うけどね。
「さ、泊まりましょ」
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