105.虫退治
道中、砂蟲に襲われた俺たち。
火の勇者ヨウは、砂蟲にばくりと食われた。
「ヨウ様……!」
ポロが青い顔をして叫ぶ。
死んだと思ってるのだろうか。
「大丈夫だ。ヨウはあれくらいじゃやられたりしない」
砂蟲に丸呑みれたヨウだが、あいつなら絶対に生きてる。
でなきゃ、勇者をやれるわけがない。
「それより、逃がす訳にゃいかねえな。ポロ!」
俺はポロに指示を出す。
彼女はうなずいて見せた。
「良い覚悟だ。行くぞ!」
「はい!」
俺は神鎚ミョルニルを手に取って、錬成を行う。
ポロはたんったんったんっ! と軽やかに宙を蹴っていく。
あれは何も無いところを跳んでいるんじゃない。
俺の作った、空気の塊を、ポロが足場にしてるのだ。
「喰らいなさい!」
ポロが砂蟲の頭上で、闇の聖剣を振る。
その瞬間、空間に裂け目が出現。
ごぉおお! と砂蟲が吸い込まれていく。
だが……体がデカいので飲み込むまでには至らない。
「それでいい」
俺は神鎚ミョルニルを手に取って、地面に向かってたたきつける。
かつん! という音が響き渡る。
「ギシャァアアアアアアアア!」
砂蟲が頭上から振ってくる。
このまま砂に潜って逃げるのだろう。
だが……。
「無駄だよ」
ぐしゃああ! という大きな音とともに、砂蟲が顔面から、地面に激突。
さっきは容易く土のなかをもぐっていた砂蟲。
だが……今はもぐれず、凄い高さから落下して自滅。
「さすがですヴィル様!」
すたん、とポロが華麗に着地を決める。
「でも……何をしたのですか?」
「ん? 地面の材質を変えただけだよ、超錬成で」
俺は靴で地面をこんこん、と叩く。
さっきまで一面砂浜だったが、ここ一部だけが、つるつるとした床になっている。
「なるほど! だから砂蟲は地面に潜れずに、頭から突っ込んで死んだんですね!」
そういうこった。
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