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星と夏

作者: 赤崎夕夜

夏と言えばじゃんじゃん遊ぶイメージですが、私は夏といえば星、というイメージがあり夜に実際に星と月を見ているうちに着想を得てこの小説を執筆しました。全くファンタジー要素もなく、ただただ主人公の「僕」と時々出てくる静かな母との会話という穏やかな、本当に短編小説ですが、ああ、そういう捕らえ方もあるよな、と温かい目で見てくださると嬉しいです。これが初投稿でおかしいところやこの設定忘れてますよなど指摘があれば教えていただけるとありがたいです。

変換ミスや誤字脱字があればまた、指摘いただけると嬉しいです。

僕は家の縁側から星を観察するのが好きだった。

何故なら星はとっても綺麗で、可憐だから__。

でも、夏は、早く日が登ってきてしまうからすぐ僕から星を奪う。

だから僕は夏が大嫌いだった。


友達は星なんかみてもつまらないじゃないかと言うばかりで、僕は夏とは星、と考えて、僕だけ星を見ていていた。

ただ僕は星が大好き、というだけではなく、明るく照らせな儚く消える。暗くなればまるで心地よい明かりのように照って、僕はそんな可憐な星が大好きだった。僕は、皆とは違う芸術の意識を持っていた。星は、誰とも話さず儚く光っている。その様が、可憐な少女のように見えて可愛かった。


だから僕は、母が寝た後にベッドから抜け出して毎夜天気のいい日に星を見に庭に出る。

僕の住んでいるところは、田舎で電灯一つもないから星を観察するにはいい環境だった。

母は僕が星に熱中していることを知っていて、母も僕と一緒にキャンプに言って天の川を見たときは、いつになく星の儚さに溺れるような美しい目をしていた。星とは、誰かの目に写って初めて美しさを見せるんじゃないかしら。…母はそう言っていた。僕は、天の川を見ながら、じゃあ、7月7日にあそこを渡る彦星と姫は、どんな気持ちで、あんな美しい場所に橋を掛けて渡るんだろうね。母は、いいや、多分彦星と姫は、星に反射する相手の姿が美しいと感じるんでしょう。


と言って体育座りをして星を見ていた母は僕を先のうっとりとした目で僕を見つめた。


そのキャンプの夜を開けて、朝早くにキャンプ場から出なければいけない条約があって、まだ七時だというのに、と朝の刺すような日差しと暑さに耐えながら車に小さくまとめられたテント、テーブルなどを詰め込んで早めにチェックアウトした。そのあと一日がけで家へと帰った。帰ってきたのが夕方の4時。今日の天気予報では夜は曇るそうだ。僕は残念だと思った。何故なら今日は満月の日だったからである。テレビの横に引っ掛けている月の満ち欠けカレンダーの、8月1日。絵のところは質素な黄色い丸が書かれていた。


この夜。

次の夜は雲は少し残っているものの月だけが丁度見えるように雲が開いていた。

灰色でくぐもっている雲をその満月は灰色もろとも突き抜けんとして煌々と光っていた。

その光景は星とは違った、儚さを開けていた。

満月は今日限り。

そう知りながらも、僕は昔から星を見ることに夢中になっているときに月見なかった。何故なら、月はただ光っている球体で、と勝手に決めつけていたから。けれど僕には灰色の雲からまるでかぐや姫のお迎えが来たかのように美しく光っているただの球体、よく見ればうさぎの餅つきを浮かべさせる黄色いライトはこの世界を射すところに影など一筋もなく、神でも降臨してくるか。と、言うような。

その月を見ていれば、いや月ではなく月の光を見惚れていれば雲がもう空から捌けて、星も見えるようになった。だから星を見よう、もう星が見える。綺麗だ。…そう思ったはずなのにまだ月の光から目が離せなかった。言葉に表せば、星の光を目を凝視すれば見える微かで儚く、月はこの世界を照らして、月の光のほうが目立っていた。劇と同じだ。戦闘劇なら戦っている主人公をいつの間にか見ている。その主人公にボロボロにされている敵の方はあ、倒されているという認識しか持たれない。まさに月が星の光を黙殺するかのようだった。その光は星の儚さなんて元も子もしない自身を持っている。僕はその自身が僕には美しいと感じた。


いつか、小学生の頃の理科の授業がありました。そのときの理科の内容は星座と月の浮き沈み。その時僕は月や星などに興味を示していませんでした。その授業が始まり、理科が好きではなかった僕はつまらないな、早く終わらないかな。とノートに好きなキャラクターの落書きを描いたりして友達にちょっかいを出したりして先生に毎回怒られて、半分ふざけて理科の授業を毎回出ていました。その理科の授業の最後に、今日の月と星座を先生が今持っているシートに観察して絵を描いてきてください。色鉛筆やクレパスなどを使って色も付けましょう。といってA4の真っ白の紙を理科室の前の子から渡されていった。色なんてつけなくて良いじゃないか、空と星の色なんてただの黒だ、真っ黒だ。この白色紙をほぼ黒に塗ったくれとでもいうのだろうか。と心の中で文句を言いながらその紙を受け取ってその日は星や月を見る暇などなく「宿題」として小さい窓から見える星や月を適当に紙に写して次の理科の授業のときに先生に提出した。今なら、なぜあそこで先生が色を付けてくださいと言った理由がわかる気がする。

先生は僕と同じで、僕と同じように月のあの光沢と、星の儚い光に感動したんだ。

今なら、今ならと過去の僕は月が僕を半分照らしている光に睨むように見て、


「君の光は僕の心を確かに揺らがせたよ。

  僕がかぐや姫だったらと考えたらあそこで迷わずあのベールを羽織ったよ。

     あんな美しい月に行こうと言われるようなものだ。最高だよ。だからね、君の元に行こうと思う。」

     

下でうごめいている海に写っている光に、泣いている相手にいうような慰めるような、優しい声で言いながら。


星と月。これらの美しさへの感受性とかを全てこの「僕」にぶつけました。読者の皆様が感じる星と月の美しさは、どんなものでしょうか。

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