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人生空。

作者: 麻咲

人生空。


空虚な人生。


18年前生まれた俺はどうやらそんな人生を歩むことになっているようだ。

来世は天才の金持ちになりたい。てかそもそもそんなもんあんのかよ。なんだ、輪廻転生、だったっけか。まあ、死んでシジミにでもなった方が今の俺の人生よりかはマシだろうな。


静寂だけが染み渡る部屋でいつも俺は思考を巡らせる。


自殺。自分を殺す。飛び降り。首吊り、OD、etc...。「殺す」という行為はタブーである。馬鹿でも知ってる周知の事実。が、それはあくまで自分対他人のはなし。自分自身への生殺与奪の権利を自由に転がして何が悪いのか。字面では「殺」と書くが間違っているのではないか。だから良くないこと、とされているのか。だからこそ旧日本帝国軍は「自決」という言葉にしたのだろうか。まあ世間一般的に「自殺」はよくない、か。どうやら「人生」という最大の難関からは逃げられないようだ。所詮そこで止まり永遠に自己完結を繰り返す思考。その程度。また1日が始まる。


おい-。瞬間の鈍痛。聞こえる数人の高笑い。ああ、今日もか。ほんの少量の勇気があれば、もっと屈強だったら、逃げる勇気、助けを求める勇気があれば、タラレバタラレバ。いつも俺の人生はタラレバだ。なんて考えていたら終わってるアイツらの玩具遊び。残ったのはじんわりと頬を伝う鈍い痛みと空っぽの財布。

込み上げてくる歪んだ憎悪。どこにもぶつけられないヘドロだけが蓄積していく。

諦観から始まり、苦痛、恥辱、そして一日が終わる。過ぎていく事だけを与えられた日々。それだけの空虚で劣悪な日々。


何も変わらないさ。


そして、また1日が始まる。


おい-。いつもと変わらない瞬間の鈍痛。楽しそうな笑い声。乱雑に引っ張り出される空っぽな財布。鈍痛。もう慣れっこだよ。なんなんだよ。その中で何かが弾けた。積もりに積もったヘドロはバケモノと化して俺の思考を奪い去った。玩具遊びは終わったか?-終わらせてやるよ。もう、こんな日々は終わりにしよう。決意、勇気。なんだ、簡単な事だったんだな。拳を握った。


勇気を、持って、1歩前に踏み出すだけだ。


世界は変わった。


ザワつく教室。その日からアイツらの玩具遊びは無くなった。腐った級友達は話しかけて来ない。廊下でぶつかりそうになっても見向きもされない。ぶつかっても何も言われない。が、これもまたいつも通り、か。家に帰ればいつもより暗い顔の父さん。赤い顔の母さん。品数の多い晩飯。テーブルに用意されている。父さん、母さん、そして俺。無言で箸を進める。結局人生なんて空っぽだ。


俺は勇気を持った。決意をした。そうだ。自分で違う世界をめざした。勇気を持って。ははっ。そうだ。


変わる。変えられる。のは自分だけだ。


でも、あぁ、そうか。そういう事か。


俺、死んでんだ。


あの日、屋上から飛び降りた日から。


勇気を持って。決意したんだ。

自決、自死ってとこか、あながち旧日本帝国軍は間違ってないな。なんてな。


結局いつだって逃げてきた人生だったか。


-でも、やっと「逃げられた」んだ

この度は立ち寄っていただきありがとうごさいます。


この話は、タイトルを通して2度読むと文章の流れや意味的なものが変わってくるものとなっています。。特に最後まで読み終えてからタイトルに注目してみてください。そこから本文に入ると、本当の姿の「人生空。」が現れてくると思います。

拙い文章、未熟な内容ではあると思いますが、楽しんで頂けたなら本望です。

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