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顕世界幻象  作者: Konoha
序章 : 顕現
6/12

六章 : 陽

檻には、腕に傷を負い首輪がつけられた女性がたった一人いた。

女性は布団に乗り、寝ることを決める。

今日もまた、誰も来なかったと思いながら。

翌朝、目の前には一日分の食事。

毎回、いつ誰がどこからどうやって運んできたかは知らない。知らなくてもいい。

そう思いながら、女性は朝の分の食事に手を出し、咀嚼。

もぐもぐと無言で食べる。

ゴミ箱にゴミを捨て、これから何をしようか、考えていた。

ここは別に刑務所でもなく、自由に出ることもできれば、ここから去ることもできる。

それでも彼女は特に行く宛もないため、ここに閉じこもっているのだ。

彼女は散歩をしようと、檻から出た。

外は自然が豊かで、花も咲き誇り、動物や虫たちは生命を育んでいた。

「……きれい。」

少し虚ろだった目に光が灯った。

奥へと進む。川が流れていた。

「…きれい…。」

またも、光が灯る。

川の流れに反射する太陽の光、川の流れる音。彼女にとってそれは癒しの存在だ。

時には鳥が木に止まり、可愛らしく歌い始める。

自然の美しさに見とれていた時、突然倒れた。

しかし、すぐに起きることができた。

が、肉体を見て、いや、肉体ではない、その幽霊体を見た彼女は、状況を理解するのに時間をかけた。

理解した彼女は、驚くこともなくその体であたりを動きはじめた。どことなく幸せのようにも感じられた。

彼女は■を失った。しかし、決して悪いことではなかった。


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