夢はミュージシャン
掲載日:2021/05/08
彼は大学生。趣味はギター。
休みになると必ず、スタジオを借りて、友達と練習に励む。
しかし、大学を卒業間近になると、まわりのみんなは、就職活動で音楽をする友達もいなくなった。
彼は、迷っていた。
このまま就職するのか、音楽の道を選ぶのか。
大学最後の冬休み。まだ就職の決まっていない彼は、実家に帰った。
両親は、笑顔で迎えてくれた。大変だろ、まあゆっくりしろと。
年末年始、父は仕事だった。
彼は母と話をしていた。
父の持病がよろしくないこと。でも、学費を稼ぐと年末年始も働いてること。
彼は気付かされた。ギターを売り、地元で就職することにした。
数年後、彼は結婚式を挙げる事になる。
催し物として、大学の友だちと音楽の演奏を行うことになった。
久々の演奏だった。
だが、彼の心に迷いはなかった。
ただ、彼の母は泣いていた。彼の父の遺影を持って。
彼は、歌った。オリジナルソングを。
その題名は「ありがとう」だった。




