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男の娘のタッグ

 学校を適当に早退した男の娘達はゲームを起動して宿に姿を見せた。

 そこから2人仲良く森に向かった。


「おやおや、随分と仲良くなったもんだね〜」


 昨日とは違う門番の女性がライト達に話しかけた。


「どこで見てたんですか?まぁ、どうでもいいですけど、これから2体目のボスモンスター狩りに行きますから。覚悟しておいてください」


 スペードはNPCの裏に運営があるのを理解してるから笑顔も見せずにそう言った。

 そのままライトの手を引いて奥へと進んだ。

 その2人を見送って門番は独り言を大きめの声で言った。


「あの子らは危険だね〜。まぁ、報告は無しにしといてやるか〜」


 門番の職務怠慢が理由無しだとまずいので彼女は酒に手をつけた。

 あの2人のために酒のせいにしようとしてくれたのだ。





 ----------------------------------------





 2人は仲良く森をまっすぐ抜けてバジリスクの先にあるボスの住処にたどり着いた。

 めっちゃ早く着いたようになってるけど、2人で仲良く邪魔なモンスターを容赦なく倒して30分かかってるからね。


「うーん、いるのは巨大桃色蟷螂(クイーンマンティス)ですね」


「なるほど、やけにカマキリモンスターが多く出ると思ったら、この高い森が巣だったわけだね。そりゃ大量発生するわな」


 2人して大量発生したキモいでかカマキリを大嫌いになった。

 でも、これを倒せば数も減るし、森の奥にある1番近いダンジョンへの道もまた一歩進むことになる。

 仕方なくこいつをターゲットにして戦うことになった。


 二人一緒に一歩踏み入れてみた。

 その瞬間、カマキリの大きな羽音がした。

 それで威嚇してるつもりなのだろう。

 いや、もしかしたら挑発してるのかもしれない。

 バジリスクが手加減なしで相手してくれたように。


「近いですね」


「近い方がやりやすよ」


 そう言って二人ともナイフと刀を構えた。

 そして、敵の位置は音から推測できるのでライトが先制攻撃をした。

 毒の息をゆっくりと吐いて少しずつ毒を押し広げていった。

 ゆっくりと広がる毒息は〈毒支配〉によって使えるようになったもので、これがライトの探知の触角みたいなものになっている。


「やっぱりえげつないですね。無害なモンスターまで死滅してますよ」


 スペードの言うように鳥や蝶などの無害なモンスターが次々と広がっていく毒息で息を引き取っていった。

 ちなみに、スペードは毒耐性があるからバジリスクの毒息にも耐えられている。でも、強毒だから少し肌がピリピリとしている。

 そんな状態で大物がこっちに来るのを待っている。


「来たよ」


 しばらくしてライトが毒息をやめてそう言うと、毒を吸って弱った巨大なカマキリが木をなぎ倒してやって来た。

 その巨体は前の二人なら少しはビビったかもしれないけど、付き合い始めてからログインしたときに〈怖い物知らず〉を手に入れているので、2人が近くにいる限り恐れることはない。


「ライトは〈全集中〉してください。時間は稼ぐからどでかいのを頼みます」


「任された。最大1分だから、それまで大技を出させない程度に調整してね」


 2人は作戦を決定してハイタッチした。

 そして、ライトは刀を一度しまって集中を始めた。

 そこにカマキリは攻撃しようとした。


「こっちが相手ですよ」


 素早く移動したスペードがおとりとして目立つようなオーラを出した。

 それに反応して殺気丸出しのスペードを先に殺そうとしてきた。

 鎌による連続攻撃をスペードは難なく避けた。

 ライトほどじゃなくてもスピードには自信がある。

 てか、カマキリがアホじゃなければこんな無謀なことはしなかっただろう。


「さて、そんなに攻撃するなら〈能力捕食者(スキルイーター)〉です」


 スペードは攻撃を続けるカマキリの様子から使える手を選択した。

 今選んだものは相手が至近距離にいればステータスの1割を吸収する魔法だ。

 こんな風に手加減なく突っ込んでくる相手にはちょうどいい魔法で、吸収する際には相手に死神が見えるらしい。

 それで吸収したステータスは後で魔力に変換される。

 いつまでもそのままなら吸収し続けるだけで最強になってしまうからそこは調整している。


 今のでさらに動きが鈍った相手にスペードは容赦なく炎をまとわせたナイフで攻撃した。

 さらに〈水刃〉と〈雷鳴の剣〉で体力を削った。

 それによって体力ゲージが6割を切った。

 攻撃パターンが変わるギリギリでどうにか止めてライトにバトンを渡した。


「ちゃんと言われた通りにダメージ調整しましたよ。トドメは譲ります」


 楽勝でスペードはやりきっていいところをライトに譲った。

 マックスまで溜めた今のライトに敵はいない。

 カマキリが気づいた時にはライトが上げ終えて完全にいつもの低い姿勢で待機していた。

 その雰囲気に危険を感じたカマキリは今更逃げようとした。

 しかし、あのライトから逃げられるような奴はいない。絶対に。


「参ります」


 ライトはそう言うといつもの要領で素早く前進して一撃で頭をはねた。

 それはまるで光の速さのようで相手も気づかないうちに切られていた。

 でも一応これで二体目のボスモンスターが撃破されたことになる。

 2人はホッとした。

 そして、ライトがまたジャンプしてたから着地するのを待って、スペードのモンスターシリーズをゲットした。

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