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男の娘の初戦闘

 ライトはあの後一旦スペードから離れて1人で戦いに行くことにした。

 スペードは強すぎるので、パーティーのSOS機能で呼んだら来てもらうことになっている。

 そうでなければチャット機能で声をかけたら終わりとも言ってある。

 だから、ライトは城下町から普通に離れて奥に進んだ。


「スペードよりも強くならないとまたみんなに馬鹿にされる」


 クラスメイト達を見返すためにやっていることを思い出して突き進み始めた。


 歩いていると、途中でカマキリのモンスターと目があった。

 モンスターにもレベルが設定されているのを体力バーの上で確認して、自分の体力を急いで確認した。

 結果、自分が50でカマキリが70らしい。


「Lv1の僕とLv3のお前とは、運がないね」


 ライトは焦った。

 使える戦闘方法が刀しか無いとこういう相手とやるのはかなり辛い。

 しかも、素早さはあっちが上らしく、あっさり背後を取られた。

 うん?素早さがとても早い?てことは、他のステータスは大したこと無いんじゃ。

 そう思ったライトは刀を構えた。


「キシャァァァァ!」


 気持ち悪い叫び声を上げてカマキリが背後から両手の鎌を振り下ろした。

 そこに目をつぶって集中したライトの一撃が通った。

 ブンッと振り下ろされた鎌に的確な位置に低くした構えから一瞬で切り落とした。

 本当に刃がスッと通るだけのような軽い感覚で切れてしまった。

 その瞬間、ゲーム側の音声が頭に流れた。


『〈居合斬り〉を獲得しました。〈抜刀〉を獲得しました。〈全集中〉を獲得しました』


 この一瞬でライトは3つもゲットしてしまった。


「これはすごいね。カマキリごときで一気に成長した感じだよ」


 それにちょっと喜んだが、奴が目を離した隙に逃げようとしたので追撃を入れることにした。


「逃げられると思わないでよね」


 今度も姿勢を低くして切るのは同じだが、〈全集中〉を試しに使ってみることにした。

 でも、魔力が30しかないのに一回で6も消費するのは痛い。

 それだけ強力ってことだろうと、軽く考えた以上に後で驚くことになる。


「全集中、居合斬り!」


 そう言って技を繰り出したら、逃げて少し離れたカマキリのところに一瞬でたどり着いてその首を跳ねた。

 合計7の魔力消費で攻撃と素早さが跳ね上がってこんなことが出来たようだ。

 軽くジャンプして切ったライトはふわっと着地してから我に戻ってものすごく喜んだ。


「よっしゃー!僕1人でも勝ったぞー!」


 叫んで喜んだりしていたが、空気を読まないシステムの声が頭に響いた。


『レベル2にアップしました。ステータスポイントを3獲得しました』


 喜びながらライトは画面を出して操作して、ステータスポイントを防御に1と魔法攻撃に2を振った。

 これで物理的な力以外も使えるようになった。

 そうしたところで〈全集中〉が気になったので魔法一覧の画面で内容を確かめた。




 〈全集中〉

 獲得条件、敵の前で攻撃態勢のまま目をつぶって集中して、ギリギリのタイミングまで集中すること。

 効果、全ステータスを5秒間集中するごとに倍にする。




 なるほど、強力なんてものじゃなかったのか。

 てか、悠長に集中する人なんて少ないだろうから妥当な調整かもしれない。

 頑張ったご褒美に全ステータスの上昇は正しい判断だろう。

 そう思って運営陣を心の中で褒めた。





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 そういう剣術の技を獲得しながらライトは次々と雑魚を切って進んだ。

 そいつらと戦いながらモンスターにもステータスがあって、それによって強さが変わることに気づいた。

 アイテムとお金を稼ぎながら勉強もできたので、倒したモンスターには消滅しきる前に手を合わせるようにした。


 さて、ライトは一気にレベルを7まで上げてチャットでスペードに話しかけた。

 なぜなら進みすぎてボスモンスターのエリアのそばまで来てしまったからだ。


「スペード、ボスモンスターの住処って開けた森もあるの?」


「ありますよ。いや、そういう広い場所にしかいません」


 チャットでの問いにすぐに答えてくれた。

 でも、ライトはスペードを呼ぶべきか悩んだ。

 相手と相性が悪ければ挑むべきじゃないし、下手にやってパーティーが全滅するのも良くない。


「スペード、今ボスモンスターの住処の前にいるから、1人で挑んでみるよ」


「えっ!?大丈夫ですか!」


「ダメでももう一度挑めるみたいだから今度は2人で挑戦すればいい」


「分かりました。いってらっしゃい」


 スペードに許可を取れたのでライトは1人で挑戦することになった。

 ちなみに、このゲームのダンジョンもボスモンスターも、まだ一つもクリアされていない。

 それにライトは初挑戦で勝つつもりでいる。


「さて、行こうかな」


 そう言ってボスモンスターの元に歩いて行った。

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