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R. U ─赤の主従たち─   作者: 幻斗
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Red.Union

Red,Union 通称『R.U』は、世界的脳外科の権威である南雲 りくを院長とする「南雲総合医療センター」、イギリス女王御用達デザイナー馬飼うまかい 里奈りな率いる「LOVE RED 」、三組のオリンピックメダリストを輩出したスポーツクラブ「∞(インフィニティ)」、次世代A.Iアルゴリズムの開発に成功した、システム開発会社「Synchronicity」、 そして、それらの広報を一手に担う広告代理店「RUPラップ」で形成されている。


この規模だけを見る限り、世界中に数多ある企業連合の一つに過ぎないが、『R.U』は、今、世界で注目を集める、他に類を見ない企業連合なのである。


その最大の理由は各社、各院のトップ及びバイスがすべて女で占められているからだ。しかも何らかの役職に就く者のすべてが女なのである。

この女尊男卑の典型ともいうべき人事は、むろん竜崎 赤斗の意向であり、彼は今後もこの人事を変えるつもりはない。

彼の考えは単純かつ難解であり、まだ『R.U』が現在ある姿になる以前に受けた、あるドキュメント番組のインタビューで垣間見ることが出来る。


竜崎 赤斗はそのインタビューの中でこう述べた。


「男より女の方が賢くて強いと思わないかね? 女はよく働くし粘り強い。何よりその胎内で人間を創り出すという、とてつもなく崇高、かつ数奇な生き物ではないか。」


「男が女より勝っているのは筋力だけだ。性欲もそうだな。筋力と性欲が女より強いから男は女を犯し、女はいつの時代も傷つけられる。


「私は未来(子供)を創り出す女を愛し、未来を創る女を踏みにじる男を卑下してやまない。従って我が『R.U』に男など必要無し。」


インタビューした男性アナウンサーは呆気にとられ、番組放送後には当然ながら番組宛に苦情が殺到した。だが、苦情の数以上に女性からの好意的な反響があったことは意外に知られていない。


「赤のハーレム」、「詭弁者」などといった批判や中傷が一段落すると、今度は『竜崎 赤斗はなぜあんな発言をしたのか?』という疑問が一部のSNSでしばらく話題になった。


だが、出演したドキュメント番組のプロデューサーである新野しんや 真一と、羽根川 律が従兄関係にあるということが判明してもなお、誰にも明確な答えを導き出すことは出来なかった。



そして、竜崎 赤斗がテレビ初出演を果たした一年後、再び彼は同番組に出演し、『R.U』の本質である主従の存在を明かし、それを機に日本のみならず、世界の企業を揺るがす男へと、変貌を遂げることとなる。


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