登場人物紹介
竜崎 赤斗・・・・・・多数の女性と『主従』関係を築く、企業連合『R.U』の会長。エリザベス女王より男爵位を賜り『レッド バロン』と海外で呼ばれている。本人は自分を『当たり前のことを当たり前にやるだけの凡人』と評価し、今の自分があるのは従たちのおかげ、と周囲に話している。従の多くは彼に人生や家族などを救われた過去を持ち、その恩に報いるため赤斗の従となるが、彼の人柄を知っていく過程で、彼の一番の魅力である『徳』に心酔するようになる。女性の涙に弱く、そのため『女性が泣かなくて済む世界』を創るという理想を掲げ、その一環として女性しか幹部になれない企業連合『R.U』を設立する。すべての従は赤斗に何某かの『色』を見ているが、彼が従に色を見ることは一度もない。ただし例外的にエリザベス女王を『モノクロ』に見た過去がある。身長185センチの偉丈夫だが、残念ながらイケメンではない。
羽根川 律・・・・・・赤斗の筆頭秘書で日本生まれのハーフ美女。飛び級でハーバード大学を優秀な成績で卒業し、同大学で特に優秀な人間に贈られる『ハーバード10』の称号を日本人で初めて賜る。在学中に男性不振に陥り、卒業後はどこにも就職せず日本で小さな英語塾を営んでいたところ、赤斗と飛田 瑠璃子と出逢う。そのとき赤斗の理想を聞いた律は「あなたが理想を追い続ける限り、私があなたの元を去ることは決して無い。」と宣言し、赤斗の二番目の従となる。容姿端麗で頭脳明晰だが運動神経は皆無である。公式では四ヶ国語を話せるとなっているが、彼女がその気になれば全世界の言葉を話せるだろう、と赤斗に言わしめた。冷静沈着の性格が災いするのか、喜怒が爆発しそうになると『無表情』になり、自ら感情を遮断することがある。オックスフォード首席卒業生であり、エリザベス女王付きの女官マーガレットとライバル関係にあるが、当面はお互いに猫を被り協力関係を保っている。
飛田 瑠璃子・・・・・赤斗の最初の従になった、元オリンピック水泳女子のゴールドメダリストであり、国民栄誉賞受賞者。
次のオリンピックで惨敗し、失意の中にいたところ赤斗と出逢い行動を共にすることになる。そして現在は国内に5店舗を展開するスポーツクラブ『∞(インフィニティ)』の総支配人。最初の従ということもあり、赤斗への忠誠心は従随一であるが、普段その様子は見られない。姉さん肌の気質で他の従から慕われ、かつ信頼されている。コメンテーターとしてテレビ出演も数多く、各界における人脈の広さは赤斗も舌を巻くほどである。本人いわく「忠犬」らしい。
南雲 颯・・・・・・『南雲総合医療センター』院長で天才脳外科医。性質はS。律と同じくハーバード大学卒業生で、代々続いた病院を乗っ取られたが、赤斗たちに助けられ院長の座に就くことが出来た。その後は赤斗の従となり彼に心酔する。律いわく『主様バカ』で、赤斗絡みのことになると天才からバカそのものになり、時折『般若』の顔に化ける。職員を厳しく罰したことにより、赤斗が職員たちから『ゴジラ』と恐れられる事態になったが、赤斗に諌められて処分を撤回してからは、彼がゴジラと呼ばれることはなくなった。
佐々 理子・・赤斗の第二秘書兼、システム開発会社『Synchronicity』社長。母子家庭で育った苦労人の頑張り屋。危篤の母親を南雲 颯に救われた縁で赤斗と出逢い、大学卒業後は『R.U』で働くことを条件に、医療費や学費を赤斗に援助してもらう。卒業後は約束通り『R.U』で秘書として働いていたが、その才能を認められシステム開発会社を立ち上げ、社長の任に就く。赤斗に社長業を専念するよう言われたが、赤斗の秘書として尽くしたいと哀願した結果、なんとか兼業を認められた。他の従たちに比べれば目立たない存在だが、ここ一番という重大局面で度々赤斗を助け、彼からの信頼は律と瑠璃子の次に厚い。
楼蘭 さくら・・・・・・アパレルブランドメーカー『LOVE.RED』の纏め役兼デザイナー。運営資金で苦しんでいた開業当初のLOVE.REDは、大手IT会社から融資を受けることになるが、その条件にさくらの解雇を要求してきた。その最中に出逢った赤斗たちに運営方法を助言された結果、LOVE.REDはIT会社から融資を受けなくても済むまでに業績を伸ばしていく。自身95のHカップにコンプレックスを抱いていたが、赤斗によってコンプレックスは解消したかに見えた。しかし、根強く残っていたコンプレックスはM性をさくらに目覚めさせてしまう。さくらの忠誠心は他の従たちも認めているほど強い。赤斗からその管理および会社運営能力を高く評価されている。
馬飼 里奈・・・・・・LOVE.REDのトップデザイナー。エリザベス女王のドレスのデザインに選ばれ、世界中のセレブから注目される。身長145センチの幼児体型に相応しく、さくらと正反対のペッタンな胸に強いコンプレックスを抱いていた。赤斗との出逢いによってコンプレックスは無くなったが、未だに小学生と間違えられるのが気に入らない。従の中では珍しく赤斗とタメ口をきくが誰からも咎められない稀有な存在。ちなみに御堂 蘭もそれに近い。
流川 紅葉・・・・・・LOVE.RED縫製部門の責任者で職人気質。その性格も容姿もすべて人並みで、里奈とさくらを足して二で割れば紅葉になると言われている。
納期を一度も守らなかったことはなく、職人らしく普段は物静かだが、赤斗からの信頼は三人の中で一番厚い。
御堂 蘭・・・・・・赤斗の第三秘書。主な仕事は運転手兼、ボディーガード。元関東レディース総長のチャキチャキ娘で、蘭が召集をかければ今でも数百人の仲間が集まるカリスマ。暴力団とのトラブルにより拉致監禁され殺されかけたところ、赤斗に救われてから従となる。自称『親衛隊長』だが、赤斗は危険だからと認めていない。赤斗のことを『大好き過ぎる』と公言し、赤斗のためならいつでも死ぬ覚悟を持っている。
孫 麗華・・・・・・『Synchronicity』所属の天才システムエンジニア。中国にいる祖母から日本にいる赤斗に仕えるよう命令され、しぶしぶSynchronicityに入社したが、赤斗に自らの意志で従うことを誓ってからは数々のシステムを開発し、やがてマイクロソフト社を凌駕するシステムを構築する。秘書兼社長の佐々 理子を尊敬しており、同性ながらよからぬ感情を理子に抱く、いわゆる『バイセクシャル』である。
孫 楊貴・・・・・・孫 麗華の大叔母で、中国屈指の名家『孫家』の当主。夢に現れた先祖の命により赤斗を陰から支援する。齢104歳の妖老。
諸角 亮子・・・・・・赤斗の第四秘書。生まれながらにして両瞳の色が異なるヘテロクロミアであり、またアンドロギュノス(両性具有者)でもある。防衛大学在学中は戦略、戦術それぞれのシミュレーションで無敗を誇った。赤斗の従になると大学を中退し、情報収集の為アメリカへ渡った。ヘテロクロミアの碧眼で律をモノクロに見た過去を持ち、従の中でただ一人赤斗を『我が君』と呼ぶ。
新野 新一・・・・・・羽根川 律の従姉弟であり、テレビ局プロデューサー。赤斗により出世したが、赤斗の従たちのように彼に心酔していないため、時折律に脅される。しかし、メディア界で力を持つため、何かと赤斗にとって都合のよい駒の一つに成って果てた。どうやら御堂 蘭に惚れているらしいが、蘭からまったく相手にされない。
エリザベス女王・・・・・・英国女王。年齢不詳だが、およそ40代前半。赤斗をモノクロに見た唯一の人間であり、赤斗と同様、自分に色を見た人間が多数存在する。お抱えのデザイナーに飽き、ドレスのデザインを広く公募したところ馬飼 里奈のデザインを気に入り、デザイン打ち合わせの際に赤斗と出逢った。赤斗とプチ同盟を結ぶと同時にバロン(男爵)の爵位を与える。赤斗のことをそれなりに信頼していているが恋愛感情はなく、連帯感に似た感情を抱いている。
マーガレット・・・・・・エリザベス女王付き女官。オックスフォードを首席で卒業し、女王付き女官となる。羽根川 律と絡むことが多く、そのためか『ハーバード10』の律をライバル視している。男爵である赤斗に好意を持っている様子だが、その反面赤斗と『R.U』を警戒している。