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草原、甲冑、ここはどこ?-3

忘れてたので、前話で女王様の名前を出しました。

そのタイミングで主人公も名乗れよ!て感じですが未だに名乗りません。

次話辺りでおそらく…!

 女王様の言葉。

 女神がこの世界に呼んだ。

 そして大臣さんがはっきりとそう言った。

 しかし女神が望んでいなかった存在。

 ここが、異世界であろうことはなんとなく、信じ難いけどなんとなく、そうなんじゃないかと思っている。

 おっさんに出会った時にも思ったことだ。

 逆に、そうとしかありえない、って感情すら生まれてきている。

 既に、少しワクワクしている。

 いや、していた。だけど。


 「望んでいない…?」


 俺の呟きに、女王様が明らかに、物凄く、申し訳なさそうな表情を浮かべた。

 そして俺に向かって頭を下げる。

 それを見た大臣が顔を真っ赤にして声を荒げ…ようとしてやめた。

 女王様が片手を大臣の方に伸ばしてそれを制していた。

 それから、女王様がゆっくりと顔をあげる。

 その顔はやはり、申し訳なさそうな。


 「昨夜、世界の女神と呼ばれる存在が、私の前に現れました。女神様が仰るには、異世界からある人物を召喚した、と」


 それだけを話した後、女王様の顔が更に曇る。

 それでも、意を決したように言葉を続けた。


 「本来、召喚する人物は4人。ただし…手違いでもう1人、召喚に巻き込んでしまった、と。加えて、イレギュラーである存在には女神の加護を与えられないことも…」


 うん。

 なんというか…ある意味、物凄く良くある展開だ。

 普通はこういう場合でもその4人と一緒の場所に召喚されるんだろうけど、自分の場合は全く別の場所に召喚されたらしい。

 そして女神の加護。

 おそらく、というか間違いなくその4人には、いわゆるチート的な能力が付与されてるんだろう。

 自分には何もなく。ただこの世界に召喚されただけ。

 

 「…その4人が召喚された理由は?」

 「…この世界も、いわゆる覇権争いがあります。比較的争いもなく、穏やかな時代を過ごしておりましたが…」


 なるほど…。

 その他の国が、逆転の一手か何かわからないけど、異世界からの勇者を召喚する儀式を行った…ってところか。

 そこで本来は女神からの加護を受けた勇者だけが召喚される予定が、なぜか自分も巻き込まれてしまった、と。

 …というか俺、意外と冷静だな。

 …いや、これ冷静というより頭が追いついてないのかもな。

 となったら、さっきの大臣の苛立ちもわかる気はする。

 他国には勇者と呼ぶべき存在が召喚されたのに、自国には間違って召喚された得体の知れない人間が1人。

 穀潰しみたいなもんだ。

 勝手に召喚しておいてなんだそりゃって気持ちもあるけど。


 更に女王様の話によると、大雑把に、この世界には5つの大国と、8つの大陸がある。

 この国もその大国の内の1つらしく。

 その残りの4つの国に、1人ずつ勇者と呼ばれる存在がいるとか。

 なんでも今回、他の4国は異世界人の召喚を行なったが、この国だけは異世界の住人を巻き込むことはならない、とかで儀式をしなかったらしい。

 国政としては、他の国が行なっているんだから自国もするべきだって案が大多数だったけど、女王様の強固な意志で…と。

 そんなことがあったからこその、女王様のこの雰囲気か。

 

 続けて、次のような話をしてくれた。

 数百年前にも異世界人が召喚されたことがあること。

 その時は魔族との争いのためであり、所謂勇者の召喚という形だったらしい。

 数年に渡る戦いの後、魔族を討伐した勇者は異世界に残ることを選び、今でもその逸話は各地で残っているとか。

 そして魔族は現在、単純に一つの種族としてこの世界に生きているということ。

 先代の魔族の王が多種族との争いを禁じたこと。

 共に生きることを選び、多種族側もそれを許容したことによる。

 言葉にすれば簡単だが、おそらくかなりの問題やら何やらあったんだろう。

 そして、そのことからも異世界から召喚する秘術は全種族の王の元、封印されていた。

 はずだった。


 「ちまちま戦争繰り返すなら、ここらで一発どかんと決めてしまおう!…ってことですか」


 女王様の言葉を要約する。

 覇権争いのための戦争が、大なり小なり時折起きている。

 そんな中で兵力や国力やらをいたずらに疲弊するだけなら、いっそ勇者召喚を各国共同で行い、召喚された異世界人で決めてしまおう、となったということだ。

 この国の女王様を除いて、他の4国はそれに応じた、と。

 俺の言葉に小さく頷く女王様を視界に入れながら、俺も小さくため息をつく。

 そもそもその召喚自体がこの世界のいざこざに巻き込まれたということ。

 その中でも更に俺は、言ってしまえば関係ないんだ。

 巻き込みに更に巻き込まれただけ。

 だからこそ、俺はもうわかっている。


 「そして…大変申し上げにくいのですが…」


 女王様が本当に言いづらそうに、言葉を振り絞るように紡ぎ出す。

 だから俺はそれを遮るようにして発言した。


 「元の世界に帰れない。…ってことですね」


 その言葉に驚いたような表情と、沈黙。

 それがそのま答えだと確信した。

 他の4人に関しては、もしかしたら最悪手段はあるのかもしれない。

 意図して召喚されたから。

 だけど俺は意図していない召喚だ。イレギュラー中のイレギュラー。

それも女神様とやらが言っていたんだろう。


 「…仰る通りです。正規の手順で喚び出された存在は、同じく送還する手順が存在します。ですが…」


 そこから女王様は言葉を継げなかった。

 既に俺が自分で言ってることもあるが、とても自分の口からは伝えられない、という表情が見て取れる。

 ただでさえ、異世界人を巻き込めない、とただ一国召喚しなかった国だ。

 それが巻き込まれただけの人間を抱え込むことになるなんて、ある意味この国だって被害者みたいなもんだ。

 俺1人、悲観したってしょうがない。

 それにどうせ、元の世界にそんなに未練もない。

 両親と妹は健在だし、天涯孤独というわけじゃなかった。

 友人もいたし、仕事も大変だけどそれはそれで楽しんでた。

 だけど、だけど特に未練はなかった。

 というか、切り替えた。

 どうせ勇者じゃないんだ。なんの制約もなく、この世界を楽しめる。

 だからこそ俺は、女王様にオネガイをした。

 折角だから、巻き込まれたということを材料にして。

当話もお付き合いありがとうございました。

誤字脱字報告は常に受け付けております。

もし、この話どう進むんだ?進められるのか?などと心配していただけましたら、評価やブクマ、よろしくお願いいたします。


そして100PVありがとうございます!

諸先輩からすれば小さな数ですが、個人的には嬉しい限りです。

今後もよろしくお願いします!

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