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草原、甲冑、ここはどこ?-2

既に書溜めが危うい状況…

のんびり更新よろしくお願い致します!

もう6月ですねー…。

 「…ロドゥナ大陸、エッケバルガ王国の、ラスラ草原だ」


 地名を聞いた俺が何も答えないことに、聞き取れなかったか?と思ったらしい。もう一度同じに地名を教えてくれた。慌てて大丈夫ですと返事をしつつ、俺は俺でその地名が聞き間違えではないことを、改めて確認した。

 聞いたことの無い地名。空を飛んできたフルアーマーの金髪の強面おっさん。

 さっき頭に生まれてからどんどんとその存在を大きくしている予感。

 それでもまだ、どこかで壮大すぎるドッキリじゃないかと…いや、ドッキリであってくれと考えているのかもしれない。

 それでも、その予感はほぼ現実だろうとも考えている。

 昨日も、というか目が覚める前も、そんな小説を読んでいた。

 ありえないことだと当たり前に認識しながら、そうなったら面白いなと考えていた、異世界への転生。

 逆に、そうじゃないのなら今見た状況を説明してほしい。


 「まぁ、混乱してんだろうな」


 そんな俺を見かねたらしいおっさんが、声をかけてきてくれる。


 「ついてくれば、多少なりとお前の状況について説明してやれるかも知れん。ついてこないならこないで、無理やり連れて行く」


 選択肢かと思いきや…いや、選択肢だった。

 おとなしくついてくるか、無理やり連れて行かれるかの二択。

 ほんの少しの間の後で、とりあえずよっこいせと立ち上がりつつ、考える。

 今の自分と、置かれている現状に関して地名以外の情報が全くない。

 飲まず食わずで行きられる世界でない限り、ここでこうしていてもなんの進展も起こらないはずだし、どうせ連れて行かれる上に、どんな内容かはわからないが説明があるのなら、断る必要も感じない。

 …うん、考えれば考えるほど、意味がないな。

 1つ大きく息を吸い込んで…吐き出す。

 …ちょっと長めに。

 そして顔を上げてからおっさんに告げる。


 「よろしくお願いします」


 頭は下げない。おっさんの目を見て、しっかりとお願いした。

 頭を下げなかったのは、おっさんかじっと俺を見ていたから。なんとなく、頭を下げて目を逸らしたくなかった、んだと、思う。

 自分のことながら自身がないが。


 「わかった。よし、んじゃま…行くか」


 「はい…て?ちょ!?」


 俺は慌てた。

 にかっと笑ったおっさんが、まるで重さを感じなさそうに俺を軽々と肩に担ぎ上げたから。


 「男を抱きかかえる趣味はねぇし、おぶってもお前が手を離しゃ面倒だしな」


 「だからってこの抱え方は!?」


 「心配すんな、落とさねぇよ」


 どこから!?と続けようとして、声が出なくなった。

 かわりに、「ぐぇ」と漏れたかもしれない。

 抱えられた体全体にかかる重力。

 肺の中の空気が一気に外に出てしまったかのような感覚。

 おっさんが何か言っているようにも聞こえたが耳に入ってこない。

 薄れゆく意識の中で見えたのは、一気に眼下へと遠ざかっていく、先ほどまでいたラスラ草原だった。

 空を飛んでいた。


◻︎◼︎◻︎◼︎


 例えば、ゲームの画面で見たことがあるような。

 あるいは、ファンタジー映画で見たことがあるような。

 もしくな、誰かのイラストに描いてあったような。

 今目の前にある現実はどうやっても形容することができない、したくてもできない。

 広い広い部屋?の両端にはぶっとい柱が並んでいる。

 柱の一本一本には、燭台のようなものも見える。蝋燭はないけれど。

 そして見上げれば天井には煌びやかな装飾が。モチーフはわからない。天使というわけではなさそうだ。

 背後には扉の両脇に、ここまで俺を連れてきたおっさんと同じようにフルアーマーを着た…扉番らしき人がいる。

 二人とも、槍のようなものを構えている。

 部屋の床にはいわゆるレッドカーペット。

 そして、そのレッドカーペットを辿った先、正面には、数段高い場所に一つの玉座と…拳大の宝石が先端に飾られた杖を持つ、女性が座っていた。

 うん。つまりは城とか王宮とか、あれだ。

 女性も勿論、女王とか呼ばれる人だろう。

 向かって左側には、補佐なのかなんなのか、だいたいそこにいるものだろう男性も立っている。あ、大臣とか?

 なんかこっち睨んでる、よな。

 なんだこれ。

 なんでこんな場所のど真ん中にいるんだ?俺。


 「よくおいで下さいました。私はターナ・アカサ・エッケバルガと申します」


 「…あ、はい」


 ボーッと立っていると、女王らしき人に声をかけられた。

 思わず中途半端な返事をしてしまう。

 途端、控えていた横の大臣らしき人がバッとこちらを睨みつけて声をあげた。


 「頭を下げんかっ!女王陛下の御前だ、貴様のようなわけもわからん者をここに入れるだけでも腹が立つと言うに…頭も下げず生返事もいいところなど…ふざけておるのか!」


 「…はぁ…」


 めっちゃ怒鳴られた。

 何度も言うが、こっちだってなんでここにいるかわからない。もちろん、知らない場所でこんな場での作法なんか知らない。

 それを責められてもどうしようもないし、そもそも貴方はダレデスカ。

 そんなことを考えながら、自分が意外と冷静なことに気付いた。

 いや、冷静というか、余りに訳のわからない状況すぎて、ある意味思考を放棄しているんだと思う。

 なんなら、大臣?の物言いにちょっとイラっとできる程度には、状況に自分が追いついていない。


 「よいのです、グロクラ」


 「しかし…!」


 「彼は女神がこの世界にお呼びした方。それも…その…」


 「確かにそうやもしれませぬ。ですが、()()()()()()()()()存在でありましょうや?ならばこそ、我が国に保護されることをありがたく受け止めるべきでございましょう!」


 「ですから…そのご説明もしておりません。そのような中で敬も不敬もないでしよう」


 女王様に不満をぶつけた大臣さんは、どうやら少し落ち着いたらしい。

 それをわかってこの女王様も大臣さんを止めたんだろうか。

 頭ごなしに叱責するよりも、理解を示しつつ控えさせる。

 堂々としてる人っぽいしな。

 というか、それよりも。それよりも、だ。この世界?女神?

 …望んでない存在?

お読みいただきありがとうございます!

まだまだなんのこっちゃな状況ですが、こんな感じもありっちゃありか?などと思っていただけましたら、評価の程よろしくお願い致しますmm

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