人生の分岐点
第1章 人生の分岐点
「はぁー」
深いため息を吐く
「無職…」
そう呟くと会社での出来事を思い出す…
「あぁーやってしまったー!」
声が響く。
「親になんて言おう。」
クビが決まって小一時間…少しも家に帰ろうとせずさまよっていたのはそのせいだ。
「…あー情けねぇや」
…そう言っても現状が変わる訳でもなく覚悟が決まらず弱音ばかり吐いている…親に無職になったことを伝える覚悟が…
「……なっ…」
ありえない風景だ…
友喜視点では…
「パチンコ屋新台入荷だと…」
サイフを瞬時に開ける
「…3,000円…行けるな…」
そして
走り出した先…
人混みを抜け…
自動ドアに足を運んだ時…
横から飛び出して来た手が友喜の体を飛ばす…
「っ!テメ何すんだ!」
影が見えた
しまった…
筋肉質な男が低く響く
「ん?おお、すまねぇな」
少しガタイの大きい男にぶつかってしまった
「いえ…こちらこそすみませんでした。」
深々と頭を下げる。しかも思わず敬語、まぁ当たり前だが。
「…」
男はこちらをジロジロと眺めてくる
「少し話そうか…」
男は確かにそう言った
「?」
そんなに怒っているのだろうか、顔には出てないのにな
しかしやばい…
非常にやばい…
初めて会った筋肉質な男に付いて行って居るんだぞしかもおこってる
どうしよう車にでも乗せられたら速攻警察だな…
「じゃあ、今から車に…」
「よし!警察だぁあ!!」
慌てふためく男
「待てって話を聞いてか…」
友喜は110番の11までで手を止め、鼻息を荒くして答える
「いーや!待たないね!
俺は今筋肉モリモリのゴリマッチョに拉致でもされる状況に達してるんだぞ!
これ程BLってる時はこれまでの人生でこれが最大だよ!」
「別に俺はboy is laveでは無い!」
なめらかにboy is laveと発する。
「うるさい!英語で言うな!
ちょっとイラっとしたじゃねーか」
ガミガミと文句を言う俺に対し鋭い声が耳元に響く。
「待てってそいつぁホモじゃねぇちっと俺のアジトは遠いからな歩きじゃ疲れるだろうと思ってな」