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第94話 破天荒な生徒会室

今年もついにこの季節が近づいて来た。そう、文化祭だ。

今年はクラスで何をしようかと考え、頭を悩ませていたのだが結論からいうと、俺は参加できなかったのだ。

そう、生徒会役員は審査員として各クラスを回る為、文化祭でクラスの出し物に参加できないのだ。

クラスで文化祭の出し物をみんなで考えている間、生徒会役員は生徒会室に集まっていた。


「みんな集まったわね。それじゃあ文化祭の企画会議、始めるわよ」

「あの、企画会議って言っても何するんですか?」

「あまり無いわね」

「え!?」

「私達のやることって、実は夏休みの時にほぼ終わってるのよ」

「もしかして、あの資料がそうだったのか?」

「うん、だから今回私達がするのは出来上がったプリントに誤字脱字が無いかのチェックをするくらいよ」

「・・・俺達、集まる意味あったのか?」

「まぁあぁ、そんな細かいこと気にしなくていいわよ。去年もそうだったんだし」


会長に言われるがまま俺達は生徒会室で夏休みに作った資料のチェックをしていた。

こんな事やるよりも文化祭で何やるか考えたかったなぁ・・・

それにしても、クラスとして文化祭に参加できないのが悔やまれるなぁ。去年みたいにみんなでワイワイ楽しみながら文化祭やりたかったなぁ。

俺のクラスは何をやるんだろう・・・無難に喫茶店とかかな、それともお化け屋敷なんかやってたりして・・・

あああ・・・俺も混ざりに行きてぇぇぇ。

おそらくだが、どんなに会長に懇願したとしてもクラスの様子を見に行くのは無理だろう。

俺達生徒会はクラスの出し物の順位をつけないといけない為、クラスの出し物を決める際は別の場所へと移動しないといけないのだ。

にしても資料のチェックが終わると暇だなぁ・・・まだ三十分近くも余ってるし。


「なぁ、資料のチェック終わったから他のことやってもいいか?」

「えぇ、別に構わないわよ。他にやることもないし」

「それじゃあお言葉に甘えて・・・」

「何かやる事でもあったの?」

「あぁ、今日の宿題をな」

「なるほど、確かにそれいい考えね」

「時間は有効に使っておかないといけないしな」

「何か放課後に予定でもあるの?」

「姉さんとちょっと」

「璃亜さんと?」

「えぇ、ちょっといろいろありましてね。今日は放課後に生徒会もないので、迎えに来るって言ってましたね」

「・・・なんだかんだで優さんはお姉さんが大好きですよね」

「!?そ、そんなこと一言も言ってないだろ!」

「あ、あの、燐さんの言ってること正しいと思いますよ」

「七海まで・・・」

「優さんってシスコンだったのね」

「いや、委員長もそんな簡単に信じ込まないで!」

「優さん、どうやら誤解を生んでしまったようですね。すみません」

「いや、別にいいんだけどせめてこの誤解を・・・」

「あ!もう終わりの時間だよ!!みんな早く教室に戻って!」


はぁ、散々なことを言われたもんだ。結局宿題は終わらなかったし。変な誤解も受けるし。

委員長にはちょっと引かれてたしなぁ。次会う時なんて言われるか考えたくもないな・・・

というか燐があんなこと言うなんて思わなかったな。ある意味新しい発見ではあったな、こんな事で見つけたくなかったが。

この誤解、なんとか次の生徒会の時まで消しておいてもらわないといけないな。

大体、いつ俺が姉さんのことを好きって言ったんだよ。あんなグータラで他人まかせで弟離れができないやつを・・・

にしても、姉さんは一体どこに行く気なんだ?てっきり休みの日に頼まれるかと思ってたのに、こんな平日に予定を入れて来るなんて・・・

少なくとも絶対何かがあるな。あまり油断しないで行った方が身のためかもしれないな。

お読みいただきありがとうございました。

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