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第90話 破天荒な一人旅

一人旅当日、朝早くから起床し誰も起こさないよう静かに家を出た。

まだ辺りは薄暗いが、時期に明るくなるだろう。事前に購入しておいたチケットを確認してから新幹線に乗り込む。

新幹線に乗ってから目的地に着くまでは結構時間がかかるし、先に朝飯を食べてしまおう。

バックから昨日買っておいたおにぎりを取り出した。ちなみに中身は鮭とツナマヨだ。これが一番美味い。

コンビニで買うおにぎりもまた格別だよなぁ。一つを食べ終わるともう一つに手を伸ばした。

コンビニのおにぎりってなんか定期的に食べたくなるんだけど何で何だろうな・・・

朝食を取ってもまだ暫くは着きそうにないな。着くまでの間本でも読んでるか。

待つ事4時間、ようやく目的の場所に着いた。新幹線から降りた後、背筋を伸ばしていた。

流石に長時間座りっぱなしは疲れるな・・・

とりあえずこの荷物置きに行きたいしチェックインでも済ませるか。

えっと、確かここから3分で着くって書いてあったよな。

お、あったあった。うん、外見も整っていて悪くない。というか七海の所の旅館とだいぶ似てるな。

まぁいいか。とりあえず入ってみよう。


「いらっしゃいませ」

「今日予約してたんですけど」

「はい、少々お待ちください・・・お待たせいたしました。榊原優様ですね。では、お部屋にご案内させていただきます」


優は店員の案内に着いて行っていたのだが、案内された先に広がっていたのは写真で見たときよりも数倍広い部屋に案内されていた。


「あ、あの部屋間違ってません?」

「いえ、そんなことはありませんけど・・・」

「で、でも俺が予約したのはもっとこう・・・」

「あぁ!説明不足でしたね。実はオーナーがここに案内しろと申しておりまして」

「で、でも会いませんでしたよ?」

「今は別の方で仕事中でございますので。お子さんの七海様も引っ越しておりますし」

「・・・も、もしかしてここのオーナーもあの人なんですか?」

「はい、そうでございますが」


完全に予想外だった・・・外見がちょっと似てるとは思ってたがまさかあそこが二号店だったとは。

というか姉さんもそう言ってたな!!


「あ、あの料金とかは・・・」

「今回は事前にお支払いされた分だけで結構ですのでご心配なく」


それなら一安心だな。しかし、こうも広いと一人で来たのもなんか寂しく感じるな・・・

いや、今日は一人でゆっくりするために来たんだ。部屋がどうであれ楽しもう!!

荷物も置けたし、外の散歩にでも行くか。

ここに来るまであまり気づかなかったが改めて見ると建物が少ないな。自分の住んでる場所とは全く違うな。

虫の声も心地いいな。よし、もう少し先に行ってみよう。どんどん進んで行くと、目の前に小さな川が流れていた。

川に手を入れると、まるで冷水のように冷たかった。しかし、この暑さだとちょうどいい温度だった。

これ以上進むと流石に帰れなくなりそうだし、ここら辺で終わりにしておくか。

いやぁ、一人も悪くないなぁ。人数がいたらもう少しはしゃいではいただろうが、心が落ち着くな。

さて、この後帰ったら夕食か。七海の家の系列だとしたら相当な期待が持てるな。

その前に風呂に入っておくか。汗掻いたし、このまま飯を食べるわけにもいかんな。

部屋の風呂、広かったよな。・・・今回はそっちにするか。

部屋に戻り、個室の風呂へ向かった。おぉ、家のより広い・・・

ふぅ・・・気持ちいい。こんなにゆっくりできるとは思わなかったなぁ。

明日からまた頑張れそうだ。まぁあいつらも少し抑えてさえくれればもう少し優しく対応するんだけどな。


「優様、お食事の方ご用意させて頂きましたので」

「はい、ありがとうございます」


もう少しゆっくりしてから飯にしよう。

・・・ふぅ、いい湯だったな。お、今回は鳥鍋か。暑い時に熱々の鍋か、いいね。暑い時こそ熱いものを。

うん、美味い。鳥のだしもしっかり出てるしつみれもまた格別な・・・

お、この野菜もシャキシャキで美味いな〜。デザートまであるとは・・・!

はぁ、堪能してしまった・・・。お腹いっぱいでもう何も入らない。


「優様、布団を敷きに参りました」

「え、い、いやそれくらい自分で」

「遠慮しないでください」


強引に押し切ると店員さんが素早く布団を敷いていた。

自分で敷いたときよりも多分何倍も早いだろう。さすがプロだ。


「では、お休みなさいませ」

「あ、はい。お休みなさい」


去り際まで早かった・・・まぁでも今日一日ゆっくりできたしそれだけでも充分だな。

明日からまたあの日常に戻るのか。・・・まぁそれも悪くはないか。

お読み頂きありがとうございました。

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