第89話 破天荒な出逢い
昨日は久しぶりにいいものが見れたな。花火も綺麗だったがやはり祭り事は全てが楽しい。
そうだ、たまには他のところにも行ってみるか!そうすれば、あいつらとも会う事はないだろう。
そうと決まればすぐにでも準備に取り掛からなければ。
まずは何処に行くかだが・・・自然を楽しみたいし、田舎の方へ行くか。
そうなると虫除けグッズは欠かせないな。後は水分もだな。熱中症になるのも困るし、多めに持って行こう。
ホテルは・・・お、中々良さそうな所があるじゃないか!ここにしよう。
よし、あらかた決まったし早速必要なものを買いに行こう。俺は、母さんに旅行に行くことを話してからデパートへ出かけた。
ふぅ、物が少なくてもここまで来るのでちょっと疲れたな。ちょっとここの喫茶店で休憩でもして行こうかな。
「いらっしゃいませ!お一人様ですね、お席へご案内いたしま・・・ゆ、優くん!?」
「い、委員長!?ど、どうしてここに!!」
「そ、それはこっちのセリフよ!」
「で、でもとりあえず席に案内してもらっていいか?」
「そ、それもそうね。こっちよ」
まさか委員長がここで働いていたとは・・・正直、全く予想ができなかったな。だが、エプロン姿の委員長も悪くはないな。
俺を席に案内すると委員長は一旦いなくなったが、水を持って戻って来た。
「それで、どうしてここに来たのよ」
「いや、旅行のための買い物しててな。休憩がてらに寄ったらたまたま委員長がいてさ。いつからやってたんだ?」
「夏休みに入ってから始めたのよ。だからまだ始めたばかりだけど、やりがいはとてもあるわよ」
「へぇ、俺もバイトしてみようかな」
「いいんじゃないかしら?いい経験になるわよ」
アルバイトか・・・あまり考えていなかったが、悪くないかもしれんな。今度探してみよう。
「注文は何するの?」
「あー、そうだな。サンドイッチとアイスコーヒーを貰おうかな」
「分かったわ。それじゃあしばらく待っててね」
にしても、まさかこんな所で委員長と出会うとはなぁ。
というか外に出るだけで知り合いに会うってのもなぁ・・・なんというかちょっと複雑だな、うん。
そんなことを考えている間に、注文していたものが運ばれて来た。
「お待たせしました、こちらサンドイッチとアイスコーヒーになります」
「おう、ありがとう」
「では、ごゆっくり」
それじゃ早速いただきます。うん、美味いな。
店で食べるサンドイッチと家で作るサンドイッチってなんでこんなに違うんだろうな。
やはり、プロとアマチュアでは何かがきっと違うんだろうな。
しかしまぁ美味いな。コーヒーも凄くいい。暑い日にはぴったりだ。
ふぅ、堪能してしまった。また今度ここにこよう。
「会計頼むよ」
「お会計が980円です」
「じゃあ1000円からで」
「はい、20円のお返しです。また来てくださいね」
「あぁ、また来させてもらうよ」
あー、満足満足。よし、家に帰って今日はもう休もう。
明日からはいよいよ一人旅だ。旅行に向けて準備もバッチリだし、抜かりもない。
誰もついてこない一人旅、自分で全てを行いそして楽しむ。
今からワクワクが止まらねぇぜ!いつも寄って来るあいつらには話してないから絶対に来れない。
あぁ、早く明日にならないかなー
お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもよろしくお願いします。




