第85話 プールでの破天荒
先生にお詫びとしてもらったチケットを使って、俺達はプールに来ていた。何というか、デカイな。外見でこれだと中は相当広いんだろうな。
早速、俺達は中に入って行った。
中に入ると、予想通りと言うか、予想以上の広さだった。中では浮き輪やボート、水着などのレンタルもあった。
何も持って来なくても遊べるし、忘れ物をしても困らない。良くできてるな。
カウンターで店員の人にチケットを渡した後、一旦皆とは別れる事になる。
今思ったんだが、男が俺一人なのか。・・・レン達も誘っておけば良かったな。
さて、一足先に俺はプールを楽しみますか。久しぶりのプールで少しテンションが上がっていた俺は何も気にせずにプールへ向かった。
まずはどこに行こうか掲示板を見ながら悩んでいると、隣から急に声を掛けられた。
「この、ウォータースライダーとかはどうでしょうか?」
「お、いいなそれ。そこに行こうかな」
「では、私もお伴しますね」
「り、燐!?い、いつからそこに」
「先程から話してたじゃないですか」
「・・・その水着、似合うな」
「ありがとうございます」
燐の水着は黒のビキニだった。燐は私服も黒が多かったしそれが影響したのだろう。だが、とてもよく似合っている。
燐と話している間に他のみんなも集まって来ていた。
「あ、あの優さん。お、お待たせしました」
「ま、まままま待たせたわね優くん」
「結衣さん、大丈夫ですか?」
「な、なな何のことかしら?」
「優さん、私の水着はどうでしょう?」
「あ、似合ってると思いますよ」
「・・・なんか適当じゃない?」
「き、気のせいじゃないですかね」
七海が黒とシロのチェック柄、委員長が赤、亜衣さんが水色か。
みんなビキニで統一したのか。・・・それにしても、こう四人が並ぶと委員長だけ凄いな。いや、何がとは言わんが。
「優さん?」
「り、燐か。何だよ、急に後ろに現れないでくれ」
「視線、バレてますよ?」
「え」
慌ててみんなの顔を見ると、委員長の顔が先ほどに比べてもっと赤くなっていたのだ。
そして亜衣さんはなぜかショック受けてるし・・・
と、とにかくずっとこの空気を続けるわけにもいかない!
「と、とりあえずみんなどこに行きたい?」
「ウォータースライダーに行きましょう、優さん」
「え!?ち、ちょっと燐ちゃん最初から飛ばしすぎじゃない!?」
「そ、そうよ!」
「わ、私は行ってもいいかなって・・・」
「な、七海さん!?あなたはこっちの味方だと思ってたのに!!」
「結衣ちゃん、覚悟を決めましょう!」
「会長まで・・・もう、わかりましたよ!」
「それじゃ、行くか」
早速俺達はウォータースライダーへ向かって行った。
行くまでの間、近づくたびに委員長が怖くない、怖くない・・・などと行っていたが、四人一緒に行くぞと言うと少しだけホッとしていたようだ。
でも、一気に流れていくってのは全く変わらないんだが・・・
順番待ちすること数分、ついに俺達の番になった。
大きめのボートに四人で乗り込み、店員の人がボートを押して行く。
その後はボートがどんどん加速しながら、曲がったり、一回転したりしながら下まで向かって行く。
委員長も最初は怖がっていたがだんだんと楽しんで来ているようだっだ。
そして、加速がついたまま俺達はプールの中に落ちて行った。
あー、やっぱりいいな、これ。もう一回行きたい。
でも、連続は流石にキツそうだし、時間が空いたら一人で行くか。
そういえば落ちてからずっと流され続けてると思ったらここ、流れるプールだったのか。
おぉ、何もしなくても勝手に動いて行く。こりゃ楽チンだな。
しかしこう、ずっと漂ったままでいるとなんか眠くなってくるな。
その時、急に顔に水をかけられた。驚いて辺りを見回しているとクスクスと燐が笑っていた。
「危ないですよ、優さん」
「いや、まぁ今回は完全に俺が悪かったけどさ」
「もう一回、行きますか?目が覚めると思いますよ」
「そうだな、行くとするか」
「では、行きましょうか」
七海達にはもう一回ウォータースライダーに行ってくると伝えて再び列に並び始めた。
今回はさっきよりも早く乗れそうだな。そう思っていた矢先に、俺達の番になっていた。
さっきと同じくボートに乗っていると、突然もう一人が入って来た。
後から追いかけて来た七海達の誰かかと思ったら、その人物は何と玲狐だったのだ。
「ふふ、この状況後で説明してね、優くん」
突然の出来事すぎて慌てている間に、無慈悲にもウォータースライダーはスタートしてしまった。
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