表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/172

第80話 破天荒な体育祭再び 前編

いよいよ迎えた体育祭当日。人が集まるにつれて、どんどん賑やかになっていった。

俺達生徒会と実行委員は登校時間より早めに来て、用具の準備やテントの設置などをしていた。

今はクラスに戻って来ているが、出欠を取り次第またすぐにテントの方へ戻らなければならない。

体育祭では生徒会が司会進行を任されているので、持ち場をずっと離れている訳にもいかないのだ。

出欠確認を終えて、俺と燐がテントに戻ると他のメンバーも既に集まっていた。

生徒会のメンバーも全員集まったことを確認し、校内アナウンスを掛ける。


『まもなく、開会式を始めます。生徒の皆さんは入場の準備をしてください』


ふぅ、開会式の担当は俺か。緊張するな、ちゃんと噛まずに言えればいいんだが。

俺は椅子から立ち上がり、ゆっくりと深呼吸をしていた、その時だった。


「やっほー!!元気にしてた?」

「り、里奈さん!?」

「え、お姉ちゃん!!何でここに!?」

「いやぁ、今年はどうなるか気になってさ〜。でも、緊張はほぐれたでしょ?」

「あ、確かに・・・いつの間にか気持ちが楽になってました」

「お姉ちゃん、まさかこの為に・・・」

「ううん、偶然だよー。それじゃ、私はこれで。最後まで見てるから頑張ってね〜」

「あ、はい!」


・・・行ってしまった。突然現れて、去っていく嵐のような人だ。

でも、みんなの緊張もほぐれてるし万全の状態で始められそうだな。

よし、まずは目の前の事に集中だ、頑張ろう!!


『ただいまより、体育祭開会式を始めます』


さっきの里奈さんの登場により、緊張がだいぶ減っていた俺は、動揺する事なく開会式を行うことができた。

無事に開会式を終え、いよいよ競技に入る。ここから生徒会はそれぞれの役割に分かれる。

午前では、俺と燐が選手の誘導とスタートの合図。テント内では七海が各クラスの得点をまとめ、亜衣さんと委員長がアナウンスを行う。

早速俺達は最初の種目の100m走のスタンバイに入る。

まずは一年生を4列になるように並べ、座らせる。

その時、偶然美玖と目があった。美玖がものすごい勢いで手を振って来たので、周りに見つからないよう小さく手を振り返した。

そして、テントの方に準備完了の合図を送り、アナウンスを待つ。


『これより100m走を始めます。まずは一年生からです』


俺たちは早速第一走者達を立たせて、先生から借りたスターターピストルを構える。


「位置について、よーい、ドン!」


ついに体育祭が本格的に開始した。にしてもこのピストルやってみたかったんだよなぁ。

まさか本当にできる日が来るとは・・・

おっと、感動に浸ってる場合じゃないな。次の組の準備もしないと。

一組目が全員ゴールしたことを確認した後、燐からのOKサインが出るまで待つ。

・・・よし、それじゃ二組目もスタートさせるか。これを、三年生の最後まで繰り返すだけだ。

意外に面倒くさいかもしれない・・・まぁ、俺が任されたことだし、最後まで責任持ってやらないとな。

二時間ほどやり続け、ついに三年のラストまで来た。

やっている人たちには一瞬だったのだろうが、俺は永遠に感じてしまってた。

でも、とりあえずはこれで最後だ。

次の種目は、パン食い競争か。ピストルの役、燐に変わってもらおうかな。


「なぁ、スタートの役交代しないか?」

「いいえ、優さんが自ら引き受けたのだから、最後まで頑張ってくださいね」


まぁ、確かに自分から引き受けたけどさ・・・流石に変わってくれても良かったじゃないか?

ん、燐が何か言ってるが・・・なんて言ってるんだ?遠すぎてわからん。

とりあえず今の仕事に集中するか。

再びテント側に合図を送り、アナウンスをかけてもらう。この間にまた第一走者組を立たせる。

パン食い競争出る人が羨ましい。この後にパンを食べる天国が待ってるしな。

あぁ、いろんなパンが吊るされてる。来年は選手サイドで出たいな・・・

しかし、パン食い競争は割と速く終わった。と言っても、パン食い競争は選択種目なため、やる人が限られて来るのだ。

これはラッキーだった。さっきよりも短い時間で終わった。全員が終わったことを確認し、再びテントへ戻っていく。


「優くん、ご苦労様」

「亜衣さん。これやるの中々キツイですね」

「来年は改善が必要ね」

「ともかくこれで一旦休憩ですよね?」

「えぇ、それで構いませんよ」

「それじゃお先です」

「お昼食べたらすぐ戻って来てねー」

「わかってますよー」


こうして体育祭の前半が終了した。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ