第77話 破天荒な会議
昨日体育祭のプリントを作り上げ、それが今日のHRで各クラスに配布された。
そのプリントを見るなり、みんなが一斉に騒ぎ出した。
やはり、一年の内の一大イベントの一つでもある体育祭はみんなが張り切っている。
昨日、遅くまで残って企画を練った甲斐があったというものだ。
みんなが喜んでいる中、先生が黒板に何かを書き出した。
「えー、これから実行委員になる人を決めます。誰かやりたい人は・・・」
「はい、俺が立候補します!」
「レンか、でも君は確か去年もやってたよね。他に人がいなければやってもらおうかな。他に立候補する人いる?」
「わ、私も立候補します」
「彩、お前も去年やってたけどいいのか?」
「は、はい。レンくんが行くのであれば・・・」
「・・・他にやりたいやつはいるか?いなければこの二人で決定になるけど、いないか。ならこの二人で決定だ。優と燐。後は任せたぞ」
「・・・え、全部丸投げですか!?」
「優さん、これも仕方のない事です」
まぁ、去年もこんな感じだったしな。うだうだ言ってても始まらないか。
俺達は席を立ち、さっきまで先生が立っていた教卓へ向かった。
そこには先ほどまで使っていたであろうプリントが置かれていた。
なんだかんだで気の利くいい先生なんだよな。投げ出し癖がなければ・・・
とりあえず任された事は終わらせるか。
それから俺と燐で体育祭の種目選びを開始した。
ちなみに、俺達生徒会役員は体育祭当日はずっと控え室にいるため競技には参加できないようになっている。
体育祭に参加できないのは少し残念だが、まぁ仕方ないな。
ただし、全員リレーだけは参加が認められている。全部参加不可だったらちょっと精神がきつくなってたな。
全員リレーの走順は体育の授業でタイムを計ったのち、決めることになるため後回しだ。
最初に自分のやりたい場所にみんなを立候補させた。
そこで人数が足りたところは決定し、溢れたところは話し合いで誰が抜けるか決めてもらい、残っているところに入ってもらう。
これで大まかには誰がどこの種目をやるかは決まったので、それをメモに取りHRは終了となった。
HR終了後、みんなが帰って行く中俺と燐、それとレンと彩は四人で図書室へ向かった。
そこに入ると、俺と燐以外の生徒会メンバーが揃っていた。
そして、玲狐とクレアも先に座って待っていた。
玲狐はこちらに気付くなり大きく手を振って来たが、クレアは俺だけに微笑みかけた。
その笑顔はなぜか冷たく、笑っていないように感じてしまい、思わず目をそらしてしまった。
クレアの顔を見るのが怖くなってしまい俺は顔をそらしたまま生徒会のメンバーがいる所へ向かった。
数分後、全員揃ったことを確認し1回目の実行委員会が開かれた。
と言っても1回目なので軽い自己紹介と大まかな内容把握だけで終わりだ。
各クラスの実行委員が自己紹介を終えて行く中、みんなからの注目を集めたのは玲狐とクレアだった。
まぁ、あの二人は美人だからな。見惚れるのはわかる、だがそれで時間を遅らせることだけはやめて欲しい。
あと、過度なアピールもいらないから。帰る時間遅くなるから早く終わらせて!会長もちょっと怒ってるから!
ちょっと時間オーバーしたけど一応終わったな。全く、時間かけすぎだな。
次に、体育祭でやることについて説明していく。まぁ俺は去年もいたし今年もあまり変わらないと思っていたんだが、どうやら今回は少し違うらしい。
チーム分けはこちら側から勝手に指定して行く。と言っても近くの組の二人と組ませて四人にするだけだが。
それが終われば今日は解散となる。次は再来週の水曜日、その頃にはどのクラスもリレーの走順が決まるだろう。
今年の体育祭も絶対に成功させてみせる!!
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