表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/172

第70話 破天荒な新学期

楽しかった春休みも終わり、今日から学年も上がって、平穏な学校生活が始まっていく、そう思っていた。

新しいクラスは燐と一緒ではあったが、玲狐はクラスが違った。

クラス発表の時、自分が違うクラスにされた事に衝撃を受け、職員室に突撃してクラスを変えてもらおうと暴走していたので、急いで燐と二人で止めに入った。

結果的には、他のクラスにも入れることが分かったため、毎日行くからと豪語していた。

玲狐と別れ、新しいクラスに入るとクラスの視線が一気にこちらに集まった。そして、すぐに人波が押し寄せた。

燐の人気もいまだ健在なようで、俺はすぐその人波に飲まれた。

人並みからなんとか脱出し、自分の席を見つけて席に着いた。

今年は騒がしいあいつらとはクラスが違うので静かに過ごせる、そう思っていた。

しかし、運命は残酷だった。


「おはようございます、優くん!」

「・・・どうしてクレアがここに居るんだ?」

「もちろん、優くんに会いに来たんだよ!春休み中は会えなかったし」

「そうだったか?」

「忘れたとは言わせませんよ。私との約束、全部断り続けたじゃないですか。その理由聞かせて貰えますよね?」

「あー、もうホームルームが始まる時間だから戻ったほうがいいぞー」

「・・・わかりました。放課後にまた来ます。逃げたら、嫌ですよ」

「あ、はい」


新学期初日、早速呼び出しをくらいました。

はぁ、こんなことが起こるのは今日だけだと信じたいもんだ。

そして担任の先生が入って来てホームルームが始まった。

今年の担任は去年と変わらなかった、というか一緒だった。ホームルームが終わり、今日はこれで帰宅できる。

しかし、俺はクレアに呼び出されていたので帰るに帰れなかった。

正直、このまま帰ってしまってもいいんじゃないか、と思っていたが以前の玲狐みたいになられると後が怖いので、すぐにクレアの教室へ向かった。

クレアの教室の扉を開けると、目の前にクレアが立っていた。


「うぉっ!!い、いたのか」

「わ、私もびっくりしたよ!」

「まさか居るとは思ってなくてな」

「ごめんごめん。それで、聞かせてくれるんだよね理由」

「分かってるから、一旦行こうぜ、な?」

「ダメ、今聞きたいの」

「・・・玲狐達に大量に予定入れられてたんだよ」

「やっぱり・・・そうなんじゃ無いかと思った」

「じゃあ誤解も解けたことだし、俺は帰るとするよ」

「ちょっと待って」

「・・・何?」

「今から私の家に行くわよ!」

「いや、なんで!?」

「決まってるじゃない、春休みの分を取り返すのよ」

「いや、マジでわからん」

「つべこべ言わずに来る!」

「あ、はい」

「それじゃ私の家に行きましょうか」

「じ、じゃあ先に家に帰らせてくれよ。着替えたいし、腹も減ってるし」

「大丈夫、私の家で食べればいいじゃない。ほら、早く行くわよ」

「で、でもだな」

「早く」

「はい」


クレアの謎の威圧に耐えきれず渋々了承した。

何故俺の周りの人たちはこうも圧が強いのだろうか・・・。

しかし、優は気づかなかった。

クレアと話していることを後ろにいた玲狐に全て聞かれていたことを。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ