第64話 破天荒な休息
美玖の受験も無事に終わり、あとは結果発表を待つのみとなった。
美玖は今も間違いがないかの再チェックをしていたり携帯をチラチラ見たりしていた。
そんな中、俺は今日も生徒会で呼ばれていた。
いつもは何もない休日なのだが、本当は昨日終えるはずだったものが少し手間がかかってしまい、締め切りも月曜までなので今日中に終わらせないと間に合わなくなってしまうのだ。
昼食を取った後に学校へ向かった。
休日の学校はいつもより静かだった。それもそのはず今日は部活の練習に来てる人が少ないのだ。
中に入っても人の気配はあまりしなかった。
こうなると生徒会に入ったことを少し後悔してしまう。
だが、やれと言われた以上はやらなければ後が怖い。生徒会に燐がいる時点で既に俺に逃げ場はなかった。
生徒会室の扉を開けると既にメンバーは揃っていた。
「あ、やっと来ましたね。優さん」
「先に行くなら言ってくれても良かっただろ?」
「いえ、優さんが来なくても私が優さんを引っ張って行けばいいと思っていたので」
「・・・俺の扱いひどくないか?というか七海もいつの間に来てたんだ?」
「わ、私は朝から燐さんのお宅にお邪魔しててそれで一緒に・・・」
「それで今日家にいなかったわけか」
「とりあえず優さんも来たわけだしさっさと取り掛かっちゃおっか」
会長の指示のもと作業が開始した。
と言っても、昨日の時点で半分近くは終わっていたのでそんなに時間はかからないだろう。
資料の整理を終え、次に取り掛かろうとした時にその資料を燐が終わらせていた。
相変わらず俺の考えていることを先にやってくれる。
これにより作業が早く終わったので他のも手伝うことにした。
数時間後、何とか全ての仕事が終了し、会長が資料を提出しに行った。
先生からの確認も取れたのでこれで今日の仕事は全て終了した。
荷物を整理して帰ろうとした時、美玖からメールが入っていた。
美玖のメールに書いてあった通り校門前に行くと美玖と姉さんが待っていた。
「あー、やっと来た!」
「よう、美玖。急にどうしたんだ?」
「今日お母さんいないからさ、今からお寿司屋さんに行くの!」
「え、でも俺起きた時はいたぞ?」
「お兄ちゃんが行ってからお母さん急に用事入っちゃったみたいでさ、三日くらい帰れないみたい」
「珍しいな、母さんが家にいないなんて」
「その間は私に任せてくれていいのよ!」
「姉さん家事何もできないじゃん・・・」
「そ、それなら私がやりますよ」
「え、七海いいのか?」
「はい、慣れてますので」
「じゃあ、三日間だけ頼んでいいか?」
「はい、お任せください!」
この後四人で寿司屋へ行き、寿司を満喫していた。
母さんの作る寿司も美味しいが店の寿司はそれ以上に美味しかった。
それにしても母さんが家を開けるなんて一体何があったんだ・・・。
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