表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/172

第55話 破天荒な誘い

冬休みが始まって数日が過ぎた時のことだった。

俺が部屋で本を読みながらゆっくりしていると七海が突然ドアを開けてきた。


「ゆ、優さん。旅館の予約取れました」

「おぉ、そうか!ありがとうな、七海」

「い、いえ。私なんて」

「日取りはいつだ?」

「明後日ですね」

「わかった。連絡を回しておくよ」

「私はこれで」

「おう、ありがとうな」


さて、宿泊日も決まって宿も取れた。

とりあえずこのことをみんなに知らせておくか。

今回は俺、七海、玲狐、燐、レン、彩、クレアの計七人で行くことになっている。

それぞれに日取りを送り、携帯を閉じた。

泊まりの準備もしなくてはならないので、外に買い物に出かけようとした・・・のだが


「なぜ、家の前にいるんだ。玲狐、俺は誰にも言わずに出てきたんだぞ?」

「え、えへへ。だって、みんなに連絡した後絶対足りないもの買いに行くでしょ?」

「行動パターンを読まれてたか・・・」

「幼馴染みだしね!!わかって当然よ!!」


うーむ、あからさまなドヤ顔・・・なんか腹たつな。


「おー、そうかそうか。なんでもわかるとは大したものだな」

「えっへへ〜、そうでしょそうでしょ?」

「ならお前の家から俺の家までの秘密のルートとかあるんじゃないか?」

「あーそれはねまずは・・・ってそんなのないよ!」

「・・・っち。誘導に引っかからなかったか」


でもあの言いようから察するにどこかにルートがあるな。

その証拠に玲狐の落ち着きがなくなってきてる。

にしても・・・流石にバカ過ぎないか?


「とりあえず早く行こうよ〜」

「お、おう。そうだな、行くか」

「レッツゴー!」


それから、デパートで買い物を済ませ、カフェで少し休憩をしていた。

俺はホットコーヒーを頼み、玲狐はアップルティーを頼んだ。

ついでにクッキーも注文しておいた。

注文していたものが届き、早速コーヒーを一口飲んだ。

うまい、良い香りと程よい苦味。やはりコーヒーはいいな。

玲狐も紅茶を一口飲んでいた。

そして、カップを置きこちらを見た


「ねぇ、優くん。旅行のことなんだけどさ」

「おう、何かあったか?」

「旅行の初日クリスマスじゃん?」

「そういやそうだな」

「だから、夜に二人でどこかへ行かない?」

「あぁ、それくらいならいいぜ」

「本当!?」

「あぁ、本当だ」

「絶対だからね!!」

「わかってるって」


それからの玲狐は帰るまで凄く機嫌がよかった。

そして、運も良かった。

買い物の途中にもらった福引券で玲狐が引くと特賞のすき焼きセットが渡されていた。

こちらを見ていい笑顔で走ってきた。ちなみに俺はハズレだった。


「良かったな、すき焼きだなんて」

「これ、おば様に渡してくれない?」

「え、いいのか?」

「うん!おば様に作ってもらった方が美味しいからね!」

「じゃあ連絡しとくよ」

「楽しみだね!!」

「えぇ、楽しみですね。優さん」

「燐!?い、いつの間に・・・」

「燐ちゃんも来るの?」

「えぇ、せっかくですし」

「まぁ人数的には問題ないな。母さんの返事も取れたし」

「早く行こう!!」

「そうだな」

「えぇ」


そして夜に家ですき焼きパーティーをしていた。

誰がどこに座るかで揉めていたが最終的に俺の隣には玲狐と美玖が座った。


「はい、優くん。あーん」

「いや、別にしなくていいって」

「早く早く〜」

「わかったよ・・・あーん」

「さ、私にも!」

「はいはい。ほれ、あーん」


さっきまで持っていた肉を自分の皿に入れ、代わりに豆腐を持ってそのまま玲狐の口に入れた。


「あーん。・・・って熱!!ゆ、優くん!?」

「悪い、間違って豆腐を食べさせちゃったぜ」

「うぅ・・・まだ口の中が熱い」

「すまんすまん」

「お、お兄ちゃん!」

「なんだ、美玖?」

「私もして欲しいんだけど」

「お前まだ皿に残ってるじゃないか。それ食ってからな」

「ぐぬぬぬ」

「そうだ、俺明後日から旅行に行くから」

「旅行!?どこに?」

「七海の知り合いの旅館のとこにだよ」

「私も行く!」

「お前その日合宿だろ?また今度な」

「なんで合宿の日とかぶっちゃったのさ・・・」

「あっちの都合もあるしな、仕方ないさ」

「合宿行かなくていい?」

「いや、行けよ」

「顧問の先生・・・恨む」

「あんま怖いこと言うなよ」


旅行に行く前日、美玖がどんよりとした表情で玄関にいた。

そんな時、姉さんが美玖に何かを吹き込んでいた、そして突然元気になり、合宿用のバックを持って姉さんの運転する車に乗った。

何があって元気が出たのかは分からないがまぁ、良しとしておくか。

俺も準備したものの確認しておかないとな。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ