第49話 破天荒な訪問 前編
朝、姉さんと七海と共に亜衣さんと会長さんの家へと向かった。
家の場所は姉さんが案内してくれるそうなので姉さんの車に乗り込んだ。
車を走らせること数分後、どうやら到着したようだ。
「さ、降りて〜。ここが里奈達の家だよ」
車から降りて改めて家の前に立った。
いや、なんというか・・・デカ過ぎないか!?
七海も隣であっけに取られていた。
姉さんは車の中から物を取ってからチャイムを鳴らした。
「あ、私だけど着いたから開けてもらえる?」
「いいよ〜。菜々ちゃんよろしく〜」
「それでは今開けますね」
うおっ!いつの間にか菜々さんが門を開けていた。
姉さんもそのまま菜々さんに着いて行ったので隣で唖然としていた七海を起こし、急いで姉さんの後を追った。
それにしても家の中に噴水とか池があるなんて・・・もはやゲームとかそんな領域じゃないか。
そして菜々さんの案内のもと、家の中に入る。
玄関もそうだったけど中も広いな、至る所にドアがある。幾つ部屋あるんだよ・・・。
「おぉ!!来た来た!璃亜さん、待ってたよ〜!」
「文化祭以来だねぇ。はい、これお土産」
「そんな気を使わなくても良かったのに〜」
「あなたの両親用よ」
「そっかそっか〜」
「それで亜衣はどうしたの?」
「亜衣なら今部屋で着替えてるよ」
「それじゃしばらく待ってようかな」
「よし、菜々ちゃんも座って。あ、そこの人、紅茶人数分注いで来てもらえる?」
「かしこまりました」
「ささ、そこの二人も座って座って」
「は、はい」
「し、失礼します・・・」
な、なんだここは!!姉さんからお金持ちだとは聞いてたけどお手伝いさんもいるし広いテーブルまである。
なぜか菜々さんがメイド服でいるのはあまり気にしてはいけない気がしたから触れないでおこう。
それにしてもこれは、慣れないな。七海も緊張して前みたいに戻ってしまってる。
あ、紅茶が運ばれて来たか。とりあえず飲んで落ち着こう。
・・・うまっ!これ、凄い美味いな。やっぱり茶葉が違うのか、それとも淹れ方が・・・。
そんなことを考えているとドアが開いた。
するとそこには着物を着た亜衣さんが立っていた。
七海のいた旅館のものとはまた違う感じのものではあるが素人目から見ても高そうな物だということはわかる。
七海も見惚れている。やはり凄いものなのだろう。
すると亜衣さんが突然こっちまで来た。
「ゆ、優さん。ど、どうでしょうか」
「あ、あぁ。凄い似合ってるよ」
「あ、ありがとうございます!」
「さて、これで全員揃ったね。それじゃまずはお昼ご飯にしようか。里奈いつものあれって貰える?」
「もっちろん!!菜々ちゃん!」
「少々お待ちください」
「それにしても変わってないね。菜々は」
「でしょ。でも無理しないでって言ってるんだけどさ」
「里奈、それは多分菜々の気持ちだと思うけど」
「菜々の気持ち・・・?」
「わかってないかー。というかわかってたら苦労しないか」
「ちょっと自己解決しないでよー」
「お待たせしました」
「あ、来たー!」
「まったく、あんたも変わんないねぇ」
菜々さんが数名のお手伝いさんを連れて持って来たのはステーキだった。
それぞれに鉄板に乗ったステーキが運ばれる。
「こちらはA5ランクの和牛を使用しています。焼き加減はミディアムレアで統一しています」
「そうそうこれこれ!」
「これが美味しいよね!璃亜さん!」
「A、A5ランク・・・」
「ゆ、優さん。うちのお肉よりすごいです・・・」
「あぁ、俺もここまですごいのは久しぶりに見た」
「さ、食べよ食べよ!」
「いっただっきまーす!!」
「いただきます」
美味い!やはりステーキはミディアムレアだな!!
ソースもまたよく合う。これは母さんの料理といい勝負しそうだな。
食べ終わるとその場に待機していたお手伝いさんが鉄板を片付けてくれた
そのあとはみんなで談笑をしたりゲームで遊んだりしていた。
夕食にはお寿司をご馳走になった。
その時に里奈さんから夜にやるパーティに誘われた。
姉さんは楽しいことがとにかく好きなので行くことに。
そんな姉さんが羽目を外しすぎないか心配になり俺も行くことにした。
七海も一人にはしておけないので一緒に来てもらうことにした。
会場は徒歩数分の距離のところらしいのでみんなで着替えを持って行くことに。
会場に着き、一旦みんなと別れて着替えてから再びホールに戻る。
その数分後、ドレスに着替えた姉さん達が入って来た。
里奈さんと菜々さんは司会のため別行動になり、七海、姉さん、亜衣さんと計四人でパーティへ参加することになった。
しばらく時間が経つと段々と人が増えて来た。
そして里奈さん主催のパーティが始まった。
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