第48話 破天荒な手土産選び
あの後、お昼を食べ終えた後教室に戻り午後の授業を受けた。
そして、帰りの時に携帯を確認すると姉さんからの返信が届いていた。
行ける。と書かれていて、下には学校が終わったら連絡が欲しいと書いていたので返信も兼ねてメールを送った。
するとすぐに返信が届いた。
明日持って行く手土産を選ぶのを手伝って欲しいとの事だった。
待ち合わせの場所を決め、玲狐達に今日は一緒に帰れないと言った後、七海を連れて姉さんと待ち合わせしたデパートへ向かった。
いざ場所に着くと姉さんはまだ居なかった。俺たちが来てから数分後に姉さんも合流した。
「いやー、ごめんね。遅れちゃった」
「自分で誘っといて遅れるって・・・」
「いやさ、優達の学校から少し距離あるし少し遅く言っても大丈夫かなって思ったら」
「思ったら?」
「渋滞につかまっちゃって」
「はぁ、まぁ渋滞なら仕方ないか」
「そ、それより早く選びに行きませんか?」
「お、そうだね。七海偉いぞー」
「い、いえ。私なんて全然・・・」
「いや、誇っていいぞ。姉さんよりも立派だ」
「ちょっと優!?それどういう事!?」
「あ、あの喧嘩は止めて下さい」
「そうだな、さっさと行こうぜ」
「それもそうね」
そうして三人でデパートに入って行った。
そんな彼らを後ろから観察している三人組が居た。
「相変わらずだね、あの人は」
「えぇ、そうね」
「な、七海ちゃんいつの間に優くんとの距離を・・・!」
「そりゃクレアちゃんと違って一緒に住んでるわけだからね」
「それをいうなら玲狐ちゃんも住んでないじゃない」
「でも私は毎日必ず会ってるからほぼ同じだよ」
「そ、そんな・・・」
「燐ちゃんもそうでしょ?」
「・・・まぁそんな感じね」
「え、ちょっと待って今の間なに?」
「知らなくていいのよ、玲狐」
「いやでも・・・」
「あのお二人とも、もう行っちゃいましたよ」
「えぇ!?早く追いかけないと!!」
「全く、面倒なことに付き合わされたものね」
「それだったら着いてこなければよかったんじゃ・・・」
「クレア、それ以上考えるのはやめなさい」
「わかった。とりあえず早く行こっか」
「そうね」
こうして玲狐達は優達を追いかけるようにデパートに入って行った。
一方、優達は手土産になりそうなものを探していた。
クッキーが詰まった箱やコーヒーが入った物など様々だった。
姉さんは会長達と関わりがあるみたいなので姉さんに任せることにした。
・・・あれ、俺たち来る意味あったのか?
そんな疑問を抱えながらも姉さんの選んだものを持ってそのままレジに向かった。
代金は姉さんが出してくれていた。そして荷物は再び俺の元に。あぁ、荷物持ちかまぁいいけど。
帰り際、姉さんが足を止めて一言だけ口に出していた。
「さてと、後ろでこそこそしてる子達はどうしようかなー」
「え、姉さん何言ってるんだ?」
「いやね、私たちが来てからずっと着いて来てる人達がいるのよ」
「おいおい、そんなこと・・・」
「あるんだよね。ね、玲狐ちゃん」
振り向くとさっきまでは誰もいなかったはずなのにいつの間にか玲狐達がいたのだ。
「お、お前達どうしてここに?」
「い、いやー。あはは・・・」
「玲狐は喋りそうにないし、クレア説明頼む」
「あ、はい。玲狐さんが七海ちゃんと優くんが怪しいとか言って後ろから尾行してました」
「なるほどなぁ・・・」
「ご、ごめんねー」
「はぁ、今回だけだからな、次はないぞ」
「うん!」
帰りに全員姉さんの車に乗り、そのまま送ってもらうことにした。
クレアは家の近くまで送ってから降ろして行った。
残った俺たちは家がほぼ一緒なのでそのまま家まで向かった。
車から降り、玲狐と燐と別れた後三人で家に帰った。
その時すでに美玖が帰っていて三人だけずるいと騒がれたのは言うまでもない。
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