第47話 屋上での破天荒
朝、起きると少し憂鬱な気分になっていた。
二日も学校を休んでるとさすがに行きたくなくなるな。
向かいのベットで寝てる姉さんを見ていると余計にそう思えた。
そして、布団に戻ろうとした時布団の中の何かに当たった。
・・・おかしい、さっきまでは何も無かったはずなのに少し離れた後に戻ったら中に何かが入っていた。
恐る恐る布団をめくると、中にいた人物と目が合ってしまった。
素早く布団を元に戻し、一旦深呼吸してから思い切って布団を持ち、上に上げた。
すると、そこには燐がいた。
「優さん、おはようございます」
「おはようございます、じゃないだろ!!」
「あ、お着替えのものはこちらに」
「あ、ありがとう。じゃなくて!」
「何かありました?」
「なんでここにいるんだよ!」
「・・・いえ、私にはわかりません」
「お前がわからなかったら誰もわかんないって・・・」
「それよりも、今日は学校なんですから早く来てくださいね」
「はいはい。で、お前はどうするんだ?朝食食べて行くか?」
「いえ、私はもう済ませてあるので」
「そうか、じゃあまた後でな」
「はい」
俺は下に降りて朝食を済ませ、燐から受け取った制服を着る。
あいつ、本当にどこから入り込んで来てるんだ・・・?
姉さんも起きてないし、謎だ。
身支度を済ませ、七海を呼んでから家を出る。
家の前にはすでに玲狐と燐がいるのでそのまま出発する。
学校に着くと燐と別れ、そのままクラスへと向かう。
二日休んだだけなのになぜかクラスが新鮮に思えてしまった。
そんなことを忘れ、休んでいた分の荷物を整理していた。
そこからはいつも通りの授業を済ませ、気づけば昼食の時間になっていた。
今日は珍しく七海からの誘いがあったので七海に着いて行くことにした。
ついて行くこと数分後、着いたのは屋上だった。
普段は空いてないのだが会長に直接会って許可を取って来たらしい。
前までは絶対にできなかったことだったので七海の成長が嬉しかった。
七海が用意していたシートを敷き、そこに座って弁当を食べていた。
その時に俺がいなかった間に起きたことなどを楽しそうに話していた。
いない間にも玲狐やクレアたちが優しく接してくれていたようだ。
玲狐は昔から面倒見が良かったので任せておいて正解だった。
ただ、看病の時にハマったのかわからないが最近七海がやたらと物を食べさせてくる。
さすがに人がいるところだと恥ずかしいので控えるようには言ってるのだが笑顔でいられるとどうしても断れなくなってしまう。
その時、屋上のドアが開いた。
「あ、あのー、優さんいますか?ここにいると聞いて・・・」
「ど、どなたですか?」
「わ、私の名前は井川 亜衣よ。というかそれいつまでやってるのよ!」
「ん、あぁすまん」
「まったく、少しはちゃんとして欲しいわ」
「それで、俺に何の用なんだ?」
「あ、そうだったわね。あなた明日暇かしら?」
「まぁ暇だが」
「そう、それなら私の家に来ない?」
「・・・え?」
「や、やっぱり何か用事でもあるの?」
「いや、ないって。でもなんで急に?」
「まぁその理由は後でわかるわ。それで来てくれるのかしら?」
「まぁ、いいけど」
「わ、私も行きます!」
「えぇ、いいわよ。あと、あなたのお姉さんも連れて来てくれないかしら」
「姉さんか?別にいいけど」
「ありがとう。それじゃ、明日ね」
話を終えるとそのまま屋上から出て行ってしまった。
とりあえず忘れないうちに姉さんにメールしておくか。
それにしても亜衣さんの家ってことは会長さんもいるんだよな。
そしてお金持ち・・・なんだか凄い緊張してきたな・・・。
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