表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/172

第40話 夏休み明けの破天荒

夏休みが終わり、またいつもの生活が始まる。憂鬱だ。

いつまでも寝ていたい、学校なんて行かずに家でいろんなことをしていたい。

そんなの叶うはずはないとわかってはいるのだが、長い休みが続くとどうもそう考えてしまう。

学校に行くのが楽しみで仕方ないやつがいたらそいつはすごいやつだ、そう思いながら学校へ向かった。

後ろでは玲狐と燐がいつものように話し込んでいる。ひとついつもと違うとすれば・・・何故かうちの姉が一緒に来ているということだ。

何故一緒に来たか理由を聞くと

「ちょっとコンビニに用があってね。優が学校に行くタイミングと偶然被ったし、途中まで一緒に行こっか」


と言われたのだ。もっとも出るタイミングが偶然被ったって言うのは嘘だろう。

元々出かける準備をしていたのに行かないのはおかしいと思っていたのだ。そしてあの姉である以上そうとしか考えられなかった。

姉さんは自分では気づいていないかもしれないが結構モテる。体育祭の時もそうだったが知らず知らずのうちに人を魅了していく。

初めは故意にやってるのかと思い、聞いてみたが本当に気づいていなかったのでこのことに関しては考えないことにした。

そして今は姉さん以外にも玲狐達がいる。大体の人が通り過ぎた後に振り向いていた。

玲狐達と歩いているとよくあることなのでもう慣れてしまっていた。

コンビニについたところで姉さんと別れ、三人で学校へ向かった。

学校に入り、燐と別れ玲狐とクラスへ向かう。

クラスにはすでに人がほぼ揃っていた。これは俺がギリギリまで寝ていたいが為に生まれた結果だ。早く来てもやることないしな。

七海もすでに席についていた。七海は俺が起きた時にはすでに学校へ向かっていた。

クレアが一緒に行っていたらしい。席に着き、クレアに七海と登校してくれたことの礼を言い机にカバンを掛けた。

少しすると、担任が入って来てホームルームが始まり、そのまま授業へと入っていった。

授業を一通り終え、みんなが帰りの支度をしようとしていた時に紙が配られた。

そこには文化祭の日時が書かれていた。


「えー、と言うわけで文化祭があります。そこで実行委員になる人を決めたいと思います。ちなみに玲狐と優は体育祭の時にやったので免除します」


前回無理矢理やらされた実行委員が功を成したのか今回はやらなくていいらしい。

よし、思いっきり楽しむか。


「実行委員やりたい人いるか?」

「はーい!私やりまーす!」

「おぉ、クレアやってくれるか」

「はい」

「あと一人だな」

「それでは私が」

「結衣だな。よし、これにて決定!実行委員は明日の放課後3-3へ集まってくれ」

「わかりました!!」


実行委員がスムーズに決まり、みんなが再び帰る準備を始めた。

クレアと委員長が二人で何か話していたが明日のことを決めているのだろう。

帰る準備を終え、七海と一緒に玄関まで行くとすでに燐が待っていた。そのあとに後ろからクレアと玲狐が来た。

そして五人で話しながら帰宅した。

家に帰り、自分の部屋のドアを開けると姉さんがパソコンを打っていた。

なんでいるのかと一瞬思ったが昨日帰って来ていたことをすっかり忘れていた。

姉さんはヘッドフォンをしていたので、俺が来たことに気づいていなかった。

なので、素早く着替えを済ませてリビングへ向かった。

そこで宿題を終わらせて、そのままお風呂に入った。

夕食を食べ終わり早く寝ようと部屋に入ると後ろに姉さんがいた。


「あれ、どうしたの?」

「いや、今日はもう寝ようと思ってね。優もそうでしょ?」

「まぁ、確かにそうだけど」

「じゃあ私の布団で一緒に寝よっか!!」

「いやいや、この部屋にベット二つあるのに一緒に寝る意味ないだろ!?」

「じゃあ私がそっちに行こっか?」

「そういう意味じゃねぇよ・・・」

「まぁまぁいいじゃない、たまにはさ」

「はぁ、わかった。でも変なことすんなよ」

「それ私のセリフなんだけどなー」

「一番やりそうな人に言われたよ・・・」

「そ、そこまで言わなくても・・・」


仕方なく姉さんの布団に枕を持っていき、布団に入った。

やはり布団は偉大だ、体を温かく包み込んでくれる。

そんなことを思いつつうとうとしていたら姉さんからとある質問をされた。

「ねぇ、優って今好きな人とかっているの?」

その言葉で俺は一気に目が覚めてしまった。


「な、なんだよ急に。せっかく寝れそうだったのに」

「いやさ、気になっちゃって。だって優の周りって可愛い子多いじゃん、だから好きな子もいるのかなーって」

「それ今聞く?」

「いや、今まで忘れてて」

「なんだよそれ・・・」

「それで、好きな人はいるの?」

「好きな人、ねぇ・・・」

「ねぇ、もったいぶらないで教えてよ!」

「・・・秘密。おやすみ」

「え、ち、ちょっと優!?寝ないで起きてよ!!優ってば!」

「好きな人、ねぇ・・・」


そのことについて少し考えながら姉さんを無視して眠りについた。

後に俺はこの会話が大変なことを引き起こす鍵になるとは思ってもいなかった。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ