第39話 破天荒な姉の帰省
朝、目を覚ますと隣になぜか美玖が寝ていた。
あたりを見回すとまだ薄暗く、近くの時計を確認するとまだ朝の4時だった。
まだ起きるには早いと思いもう一度眠りについた。
数時間後に起きると、さっきまでいたはずの美玖がいなくなっていた。
時間を見ると既にお昼になっていた。
下に降りると璃亜が母さんと何か話していた。
遠くてあまり内容は聞こえなかったが真剣な表情をしていたのできっと重大なことなんだろうと思っていた。
部屋に戻り、着替えてから外に出て喫茶店に向かって行った。
喫茶店に入るとそこには美玖と七海が話していた。
そして俺のことに気づくと美玖が手招きしていたのでそこに相席させてもらうことにした。
席に着き、コーヒーとパンを注文した。
美玖たちがなぜここに来ているか聞いたところどうやら璃亜がまたしばらくの間住む事になるそうなのだが部屋をどうするかという問題があるらしい。
そう言えば七海が来た時に璃亜の部屋を貸していたことを思い出した。
その話を聞くのが途中でめんどくさくなって抜けて来たらしい。
しばらくの間美玖達の話を聞きながら注文してたものを食べていた。
俺が食べ終わると美玖達も帰る準備を始めた。
会計の時に美玖達のも一緒に払った。
美玖達は初めは遠慮してたが七海の引越し祝いということで手を打った。
家に帰ると母さん達が荷物の移動をしていた。
「あら、おかえり」
「ただいま。それで、何してるの?」
「何って璃亜の荷物の移動よ」
「部屋決まったの?」
「えぇ、しばらく優と共同で使ってもらおうかなって」
「マジで?」
「ほんとだよ〜。これからしばらくよろしく〜、優」
「で、でもお母さん。なんでお兄ちゃんの部屋なの?私の部屋でもよかったのに」
「美玖の部屋だとちょっと狭いでしよ?優の部屋だとスペースもあるし。」
「そ、それは確かにそうだけど・・・」
「もういい?まだ荷物多くて」
「なら、俺も手伝うよ」
「あら、助かるわ。ありがとう」
璃亜の荷物を自分の部屋に持っていき、空いてるスペースに置いていく。
その間に部屋のものを少し退けてスペースを確保する。
璃亜の荷物を移動し終わるとベットでは既に璃亜が寝ていた。
母さんにそのことを伝えるとほっといて、と言われたのでそのまま放っておくことにした。
今夜は珍しく焼肉だった。肉や野菜などは姉さんがついでに持って来たものらしい。
みんながどんどん焼いていく間に姉さんが起きて来ないことに気づいたが母さんの目が起こしに行くなと物語っていたので断念した。
肉があっという間に無くなり、野菜のみになっていた頃姉さんが起きて来た。
音から焼肉と察してウキウキで姉さんは来ていたが机に残っていたのは野菜のみだった。
姉さんはなんで起こしてくれなかったのと言っていたが母さんは起きないほうが悪いと一喝していた。
まさにその通りだったので何も言い返せなかった。
だが、母さんも全部食べてしまうことはしなかった。少量ではあるがまだ肉は残っていた。
姉さんはその肉をありがたく受け取り、食べていた。
その一連のやりとりを見て姉さんの二の舞にならないようにしようと心に強く誓った。
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