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第37話 破天荒なお祭り

七海が転校してきてから数週間が経った頃、俺たちは夏休みに突入していた。

約一ヶ月の長期休み、だが途中で学校に行かねばならない補習というものもあったが行かないよう死ぬ気で頑張りなんとか回避することができた。

そして、その夏休みの初日起きたら夕方だった。

ここまで寝ていたのは久しぶりでとりあえず顔を洗おうと下に降りた。

すると、机の上には夕飯が並んでいた。だが、そこには母の姿はなかった。


「あ、お兄ちゃん。やっと起きたね」

「休みなんだからいいだろ。それより母さんは?」

「んー、お出かけに行ったよ。なんかちょっと怒ってたみたいだけど」

「一体何があったんだ・・・」

「さぁ?とりあえず夕飯できたから食べよー」

「おう、というかお前料理できたのか」

「失礼な、温めるくらいはできるよ」

「つまり母さんの作り置きか」

「と、とりあえず食べよっか!」

「そうだな」


母さんが作り置きしてくれていた夕飯を食べ、少しゆったりしている間に母さんが帰ってきた。

何やらいっぱい物を買い込んでるみたいだが一体何を買ってきたんだ?

そんなことを考えながらもお風呂に入り、少し宿題をしてからベットに潜った。

次の日の朝、枕元から大量にベルが鳴っていて飛び起きた。すると、枕のそばに五つほどの目覚ましどけが置かれていた。しかもいまだになり続けていたのでとりあえず全部を止めた。

目が覚めてしまったので下に降りると満足そうな顔をした母と静かに朝食を食べている燐がいたので犯人とその共犯者が一発で分かってしまった。

だが、これに追求を入れるととんでもなく厄介なことになりそうなのでおとなしく用意されていた朝食を食べていた。

せっかくだから宿題でも進めようと思いしばらく机に向かっていた時、電話が鳴った。

誰なのか相手を確認すると玲狐と書かれていたのでそのまま電話に出た


「もしもし」

『あ、優くん。おはよ、珍しいねこんな時間に起きてるなんて』

「まぁ、いろいろあってな・・・」

『そうなんだ、それよりさ今日お祭りがあるんだけど一緒にいかない?』

「祭り?」

『うん、ここからそんなに遠くないから大丈夫だよ』

「それならいいぞ。それでメンバーは?」

『えーっと、とりあえず燐ちゃんでしょー、あと委員長と、クレアちゃん、美玖ちゃん、それから七海ちゃんも誘おうか』

「分かった、今うちに燐と美玖と七海が居るから言っとくわ。そっちはクレアと委員長を頼む」

『うん、分かった・・・ってちょっと待って、燐ちゃんもそっちにいるの!?』

「ん、ああ。まぁいろいろあったんだよ」

『後でその話聞くからね!』


そう言い残し電話を切っていった。

そんなに怒ることなのかと思いながらもとりあえず三人に祭りに行くかどうかだけ聞いてきて全員が行くと答えたのでそのまま玲狐にメッセージを飛ばしておいた。

そして夜、家の前に玲狐たちが集合していた。そのまま七人で祭りの会場へと向かった。

会場に着くと周りにはたくさんの屋台が並んでいた。

みんなは着くなり一気に散らばり、各々の好きなところへと行ってしまった。

残ったのは俺と委員長、それから燐と七海の四人だった。

その場に立ちっぱなしだとそれもつまらないので屋台のところまで歩き出した。

とりあえずお好み焼きを購入した。その横では燐がかき氷を注文していた。

人数分の箸をもらい座れるスペースを見つけてそこに座った。

そこで燐が事前に持ってきていたシートを広げ、お好み焼きを分配した。

みんなで食べてる間に飛び出して行った三人が帰って来た。

そしてその手には飲み物とたこ焼きがあった。コップに飲み物を注ぎ、たこ焼きを分け合った。

その後、買い足しのためにもう一度屋台のところに向かおうとしたら委員長も付いて来ていた。

あたりは段々と人が混んできて移動がしにくくなっていた。

ここではぐれると流石に探すのが大変になるので委員長の手を取った。


「委員長、危ないから掴まっておけよ」

「え、う、うん・・・」


その時の委員長の顔はよく見えなかったが俺も自分の言ったことが恥ずかしくなり赤くなっていた。

そして焼きそばの屋台になんとか着くことが出来た。


「おっちゃん、焼きそばひとつ」

「ヘイ、毎度!」

「はい、ちょうどな」

「おう!可愛い彼女のためにちとサービスしてやったからな!!」

「か、かの・・・!」

「え、い、いやあの俺たちは・・・」

「いいから遠慮するなって!」

「あ、ありがとうございます」

「おうよ!」


焼きそばを買って行った帰りは二人とも終始無言で元の場所に戻って行った。

戻ると前に買っていたものもだいぶ減っていた。

玲狐はクレアと美玖と楽しそうに話していた。

そして二人の謎の雰囲気に何かあったことを察した燐は玲狐が気づかぬように他のものに気をそらさせていた。

この時の燐の対応はまさに最適だった。

それからしばらくすると、花火が打ち上がって来た。

俺達のいたところは花火がよく見える絶好の位置だった。

花火を記念として写真に収めた後、玲狐がせっかくだからとみんなでの集合写真を撮った。

たまにみんなでこうして遊びに行ったりするのも悪くないなと思った。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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