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第29話 映画館での破天荒

テストが終わり、数日経った休日。燐に朝から出かけると言われたためいつもより少し早く起きた。

眠気に耐えつつドアを開け、洗面所へと向かう。

顔を洗って眠気を覚まし、再び部屋に戻り着替えようとした。

その時、部屋の中からゴソゴソと物音がした。

美玖がまた部屋の中を物色しているのではないかと思い思いっきりドアを開ける。

するとそこには誰もいなく、部屋の中も特に変わった様子はなかった。

不思議に思い、美玖の部屋へ向かう。


「おーい、入るぞ」

「どーぞ」


美玖の部屋に入ると美玖は勉強をしていた。


「何かあったの?」

「お前、さっきまで俺の部屋にいなかったか?」

「え?私ずっと勉強してたけど」

「そうか、邪魔して悪かったな」

「ううん、お兄ちゃんだから大丈夫だけど。」

「それじゃ、勉強頑張れよ」


どうやら美玖じゃないらしい。なら聞き間違いだったのか?

さっき見た時に窓が空いていたしきっと風の音だろう。

そう自分で納得し部屋に戻った。

部屋に戻り、着替えを済ませた後に出かけ用のリュックを持ち、燐の家に向かう。

燐の家のインターホンを鳴らすと燐が玄関から出てきた。

どうやら既に準備は完了してるみたいだ。


「おはよう、燐」

「おはようございます、優さん」

「それじゃあ行こうか」

「はい」


今回の目的地は映画館に決まった。

燐の見たい映画があったらしくちょうどいいので見に行こうという結論になった。

俺も特に異論はなかったし、今回は燐が三人の勝負に勝ったご褒美みたいなものなので燐の好きなものを回ることになっている。

映画館は前に行ったデパートの中にあるのでバスでデパートまで向かう。

今日はまだ朝早くだったのか人が少なかったのでスムーズに乗れた。

数分バスに揺られ、目的地であるデパートに着いた。

着いた時ちょうど開店時間だったのでそのまま中に入る。

そして映画館へ向かうとその映画が始まるまではまだ時間があった。

とりあえず時間を潰そうと他の店に向かう。

向かった先は前回来た時に行けなかった本屋だ。

今回は参考書と休日用の本を買おうと思っていた。

いろいろなところの本を見た後、参考書を二冊手に取り休日用の本をどうするか悩んでいた


「なぁ、燐。何かオススメの本とかあるか?」

「そうね・・・これなんてどう?」


そういいながら持って来た本はミステリー小説だった。

本の主人公になりきり、犯人を探すそのドキドキ感がたまらないらしい。


「よし、これ買っていくか」

「それじゃあ私は外で待ってるわ」


会計を済ませ、燐のところへ戻る。

時間を確認すると上映20分前くらいだったので映画館へ戻る。

そこでポップコーンと飲み物を買い、会場に入る。

人もだんだん集まって来て、辺りが暗くなる。

そして大きなスクリーンに映像が映り始める。

今回はホラー映画に決定していた。

その映画では館に閉じ込められ、幽霊に驚くようなものやクローゼットを開けるとそこには幽霊が入っていたりとなぜか身に覚えのあるシーンも出て来たがそのシーンの時に燐はおもむろに顔をそらしていた。

自覚症状はちゃんとあるみたいだな。そんなこんなで地下からゾンビが出て来たりとてんやわんやな映画だった。

玲狐だったら泣き叫んでいたんだろうなと思いながら今度ホラー映画でも借りて来て見ようと思ったりしていた。

映画が終わりみんな帰って行く。それに着いて行くかのように映画館を出た。


「なかなか面白かったな」

「玲狐が見たら泣き叫びそうな映画だったわ」

「俺もそれ思ったわ」

「今家にホラー映画が何本かあるのだけれど・・・」

「よし、今から燐の家で映画の鑑賞会だ。玲狐も呼んでな」

「それじゃ、早く行きましょう」

「おう!」

「・・・ところで、今日朝俺の部屋で物音がしたんだが」

「あら、それは大変ね」

「お前じゃないよな」

「えぇ、違うわ」

「やっぱり聞き間違いだったのか・・・」

「きっとそうよ」


一つの謎を抱えたまま燐の家へ行き、玲狐を待った。

そして優から連絡を受け、燐の家に凄まじいスピードで入って来た。

そして映画鑑賞をしている時、玲狐がずっと泣き叫んでいたというのはいうまでもなかった。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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