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第28話 テスト返しの破天荒

テストが終わり数日が経ったときのこと。


「それじゃ、この前やったテスト返すぞー」


何事もなく行われたテスト返し。しかし、それはとある2人にとってとても大事な結果である。

2人とも自信があるようでお互い負けるとは思ってないみたいだ。

そして番号順にテストが返される。


「玲狐」

「はい!」

「流石だったぞ。だが、ケアレスミスがあったからな今度は気をつけろよ」

「わかりました」


玲狐がウキウキの気分で戻って来た。

その様子から察するに中々の高得点だったようだ。


「優」

「はい」

「実行委員もやってたのに中々いい点数じゃないか」

「ありがとうございます」


予想以上に点が取れていた。

自分の中でもかなりいい出来だ。後で間違えたところの復習もしておかないとな。


「クレア」

「はい!」

「クレア、よく頑張ったな!」

「あ、ありがとうございます」


クレアの顔がすごくにやけていた。よほどいい点数だったんだろうな。

席に着くとガッツポーズを取っていた。そして残りの人たちのテスト返しが続いた。


「よーし、これで全員だな。今日はこれで終わりだが家に帰った後はしっかり復習するように」


そして終わると同時に玲狐とクレアが俺の元に来た。


「結果発表だよ!優くん!」

「今回は私自身あるよ!」

「それじゃあ行くよ、せーの!」


机の上に玲狐のテストとクレアのテストが同時に置かれた。

玲狐のテストは国語、数学、社会が96点。理科が94点、英語が92点で合計が474点だった。

対してクレアの点数は数学、理科が94点、社会が92点、国語88点、英語100点の合計468点だった。


「やった!!勝ったよ!!」

「うぅ、あともう少しだったのに・・・」

「クレアも頑張ったじゃないか。また次頑張ろうぜ」

「それじゃあ優くん、ちゃんと約束は守ってよね」

「はいはい、わかってるって」

「今度は負けませんよ!」

「次も私が勝っちゃうからね〜」

「とりあえず帰ろうぜ」

「はい!」

「ち、ちょっと待ってよ!まだ何も終わってないよ!」

「玲狐、玄関で待ってるぞ」

「早く来てくださいね」

「少しくらい待ってくれてもいいじゃん!」


玲狐を待つため玄関に行くとそこには燐がいた。


「燐、誰か待ってるのか?」

「えぇ、あなたを待っていたの」

「何か用があるのか?」

「えぇ、何か面白いことやったみたいじゃない。」

「何かしてたか?」

「優くん!やっと追いついた・・・」

「教室とそこまで距離離れてないだろ」

「あ、燐ちゃん。今帰り?」

「えぇ、優さんを待っていたのよ」

「ふーん、優くんにねぇ。どんな?」

「そこの2人やったんでしょ?テスト対決」

「あぁ、やったな。でもどうして知ってるんだ?」

「玲狐が昨日勝負するって言ってたからよ」

「お前、燐にも言ってたのか」

「う、うん。嬉しかったからつい・・・」

「それで、玲狐が勝ったんですね」

「クレアもあともう少しだったんだけどな」

「それ、私も参加していいかしら?」

「え、今からか?」

「いいですよね?私だけクラス違いますし」

「うん、私はいいけど・・・」

「まぁ玲狐がいいなら構わんが・・・」

「それで、玲狐は何点だったの?」

「えぇっと全教科合わせて合計474点だったよ」

「なら私の勝ちですね」


そういって燐がカバンからテストを取り出した。

国語100点、数学98点、英語、社会、理科96点合計486点だった。


「えぇ!?燐ちゃんこんなに頭良かったの!?」

「前からそうだっただろ・・・」

「え、でも中学の時とかは」

「その時とあまり変わらないぞ。中学の時より点数は取るようになってるけど」

「そういう訳で、優さんとのお出かけは私で決定。でいいわね?」

「まぁ、玲狐も勝負受けたからな」

「うぅ・・・すごく悔しい」

「そう気を落とすなよ、買い物くらいなら付き合ってやるから」

「ほんと!?」

「あぁ、だから大人しくしてろ」

「で、では優くん。わ、私も」

「クレアも頑張ったもんな、いいぜ」

「なんか私の時と態度違い過ぎない!?」

「気のせいだ」

「気のせいですね」

「気のせいだよ」

「絶対違うから!!」


こうして本当にテストから解放されたが、その代わりに休日が潰れた。

あまり無茶な約束はしないようにしよう。そう心に誓った。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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