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第25話 破天荒な勉強会

前も来てるからそこまでの衝撃はないが三階建ての家はやっぱり大きいよな・・・

そんなことを思いつつ玄関に向かう。


「お邪魔します」

「はい、どーぞ」

「それでどこでやるんだ?リビングか?」

「ううん、私の部屋で」

「わかった」

「それじゃあちょっと待ってて、部屋片付けてくるから」


そう言ってクレアは自室へと向かった。

そこでドタバタと凄い音が鳴っていたが数分後には収まっていた。


「お待たせ、それじゃあいこっか」

「おう」


そうしてクレアの部屋へ向かい中に入る。

前に来た時とほぼ変わらないようで少し変わっていた。

真ん中にはちょうど二人分のスペースがある机が置かれていた。

クレアが先に座り、窮屈にならないようクレアの前に座った。

少しクレアが不機嫌そうになったが構わず勉強を始めることにした。


「それで、どこの教科をやるんだ?」

「えっと、国語を」

「でもわりと出来てるじゃん」

「そ、そうじゃなくて。国語の漢字を教えて欲しいなって」

「まぁ確かに難しいもんな。ややこしいのもあるしな」

「そうそう、だからお願い!」

「まぁそれくらいならいいけど、頼るのはほんとにわからない時だけにしてくれよ」

「わかってるって!」


それから2人で勉強を始めた。と言ってもやってる教科は別々だ。

俺が英語、クレアが国語に取り組んでいる。

自分で買った問題集の問題を進めていたら急にクレアが横から現れた。


「ねぇ、優くん」

「どうした?」

「これなんて読むの?」


そうやってクレアが示してきたのは『時宜』と書かれたものだった。


「あぁ、それは『じぎ』」

「そうなの!?じせんだと思ってたよー」

「まぁ俺も最近知ったんだけどな」

「そうなの?じゃあこれは?」


と言って出してきたのは『混紡』と書かれたものだ。


「これは『こんぼう』」

「優くん凄い!」

「てかお前さっきから近いって」

「あ、ごめん。今どくね」


その時、優の横からトスっと何かが落ちる音がした。


「優くん、なにか落ちたよ・・・ってこれは」

「ん?あ!おい!」

「ふふっ、わざわざ調べてくれたんだね」

「見つかりたくなかったんだけどな」

「でも気づいてたよ。私が見せた時ちらっと違う方向見てたから、何かあるんじゃないかなって思ってたけど」

「まさかクレアの策にハマるとはな」

「私も日々成長してるからね」

「確かにそうだな・・・!」

「いつか玲狐ちゃんも越しちゃうんだから!」

「それはまた少し遠い道だな」

「努力すればいけるよ!」

「それもそうだな」


その後は2人揃って他の教科に取り組んだり、息抜きにお菓子を食べたり、クレアが優の休日の様子を聞いたりとだんだん勉強から遠ざかっていった。

そして気づけば日が沈み始めていた。


「そろそろ帰らないとな」

「玄関まで一緒に行くよ」


2人で部屋を出て玄関へと向かう。

そして帰ろうとした時、クレアから一言だけ伝えられた。


「今回のテスト玲狐ちゃんより点数高かったら買い物付き合ってくれない?」

「それくらいならいいぞ」

「約束だからね」

「おう、また頼まれれば教えるからな」

「うん、またよろしくね」

「任せろ!」


そうしてクレアの家を後にした。

家に帰る途中に、後ろから急に肩を掴まれ思わず振り向いた。

するとそこには部活帰りの美玖がいた。


「お兄ちゃん、一緒に帰ろ」

「美玖かよ、脅かすなって・・・」

「ごめん」

「まぁ、とりあえず行こうぜ。と言ってもすぐそこだけどな」


あと数百メートル行けば家に着く距離だった。

なので先に家まで行くことにした。何やら美玖が話したそうだったので家で聞こうと思ったのだ。

家に着くなりすぐに部屋に向かったのでそのままついて行った。

そして美玖の部屋の中に入ると美玖がこちらを振り向いた。


「なんで私だけ置いて動物園行っちゃったの!」

「なんでって・・・お前学校だっただろ」

「そうだけどさ!私も行きたかったの!」

「今度連れてってやっから、一旦静まれ」

「え、連れてってくれるの!?やったー!」

「ずっと言われ続けるよりはマシだからな。」

「ありがと!お兄ちゃん」

「おう!」

「じゃあ今度はお姉ちゃんを置いていこう!」

「そんなことしたらぶん殴られるって・・・」


その時、優の携帯にメール通知が来た。


「あ、お兄ちゃんメールみたいだよ」

「どれどれ・・・な、なんだと!?」

「え、何書かれてたの?」

「玲狐も勉強教えて欲しいって」

「ええええ!?・・・って玲狐も?」

「・・・あ」

「他の人ともやってたって事だよね?そこら辺詳しくお願いできるかな」

「や、やめてくれー!!」


この後合流した姉さんも参加し、2時間みっちり絞られました。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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