第24話 学校再開での破天荒
今日は学校がまた始まる最悪の日だ。この三日間の休みはいろんなやつにあちこち連れて行かれたり体が休まらなかった。
と言っても楽しくなかったというわけでもない。
だがこの三日間の疲れが溜まっており、休みたいのだが玲狐に強制的に連れていかれるため今回は早めに行くことにした。
手早く準備を済ませ家を出ると玄関前にすでに玲狐が立っていた。
「あ、おはよ!優くん!」
「おう・・・なぁ一つ聞いていいか?」
「何?」
「どうして俺が今日早く行くこと知ってるんだ?」
「うーん・・・どうしてだろ。なんとなく?」
「なんとなくでわからねぇだろ」
「でも少し家の前で待ってて出てこなかったらまだ家の中だなって思うし」
「それでもお前より早く起きて先に行くかもしれないだろ?」
「それはないと思うよ。だって優くん起きるの遅いじやん」
「ぐっ、それはそうだけど・・・起きようと思えば早く起きれるからな」
「ふーん・・・それ、起きれない人の定番の言い訳だよね」
「・・・お前今日やけに強くないか?」
「気のせいだよ」
「気のせいじゃないと思うんだが・・・」
「それより早く行かないと、遅刻しちゃうよ」
「そうですよ、優さん」
「おう・・・って、燐!?いつからいた!?」
「初めからいましたよ?」
「ずっと後ろにいたよね」
「嘘だろ・・・お前ほんと何者だよ」
「普通の人ですよ?」
「それ絶対嘘だろ・・・」
「そんなことより早く行かないと遅刻するよ!」
「それもそうだな、さっさと行くぞ」
そうして俺たち3人は早足で学校へと向かった。
学校に着き、そのまま燐と別れて教室へ向かう。
教室に入ろうとドアを開けた瞬間クラスの男子達が集まってきてそのまま吹き飛ばされた。
そういえばこいつあんなだけど人気あるんだったな・・・
落としたカバンを拾い教室に入り自分の席に着こうとすると男子から冷ややかな目で見られた。
それもそのはず、人気の高いあいつと一緒に登校してきているからだろう。
毎年そのようなことがあったのでもう慣れており、気にせずに荷物整理をしていると後ろからクレアが声をかけてきた。
「おはよう、優くん」
「おう、おはようクレア」
「相変わらずの人気っぷりだよね」
「まぁ小学生の頃からだったし慣れてきたな。お前も玲狐みたいに人気になりたいとか思ったりするのか?」
「ううん、私は優くんに見てもらえれば充分だから」
「・・・なんだか今日はグイグイ来るな」
「そう?」
「あいつもそうだったからな」
「・・・へー」
「おーい、席につけ。授業始めるぞー」
「だそうだ。また後で話そうぜ」
「ええ」
それからいつも通り授業を行い、放課後の前のショートホームルームの時に言われた一言にクラス全員が凍りついた
「来週テストがあるのでしっかり勉強するように」
先生のテスト発言によりクラス全体のテンションが下がった。
あんなにワイワイしていたのにテスト一つでこうなるとは・・・気持ちは分からなくもないが。
放課後荷物をまとめそそくさと帰ろうとした時後ろから急に手を引かれた。
振り向くとそこにはクレアがいた。
「優くん、ちょっといい?」
「どうした?」
「その、今回のテスト不安で・・・教えて欲しいんだけど」
「別にいいけど・・・教えられるほど頭良くないぞ?」
「私よりは頭いいでしょ?」
「さぁな、よくわからん」
「それで教えてくれるの?」
「まぁ別にいいけど」
「じゃあさっそく今日からよろしく!」
「今日!?」
「ダメかな?」
「いや別にいいけど」
「じゃあさっそく行こ!」
「あ、おい!待てって」
「優くん、一緒に帰ろ~」
「すまん、無理だ!」
玲狐には申し訳ないと思っていたが先に行ったクレアを追いかけて行った。
校門のところに行くとそこでクレアが待っていた。
「さぁ、行こう!」
「あぁ、お前の家行くの久しぶりだな」
「そうだね、あの時も逃げてきたんだよね」
「今回のは完全にお前が悪いだろ」
「ま、まぁ。ほら、もう着くよ」
「というか教わるからにはちゃんとやれよ」
「わかってるよー」
「一応信じておくからな」
「一応って・・・」
そんなこんなでクレアとの勉強会が始まった。
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