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第20話 番外編 レン・彩 編

こちらは20話の番外編になります。

朝、日が昇るとともに、俺は起床する。

そしてジャージに着替え、日課であるランニングをしに行く。

いつも町内を一周してから家に戻るようにしているが、今日はちょっと短めにしようとしている。

何故なら今日は彩とのデートがあるからな!

集合時間に遅れてはいけない、そんな思いで俺はいつもより数分早く終わらせた。

だが時間はまだ全然ある。とりあえず朝食を食べよう。

家に帰ると既に朝食が作られていた。

朝食として出されていたサンドイッチを素早く食べ、お風呂場へと向かう。

ジャージを洗濯機に入れ、シャワーを浴びる。

さっぱりした後部屋に戻り、服を着て準備に取り掛かった。

今日は新装開店のデパートに早めに出て1番に入ろうと決めていたので少し早いだろうが彩の家に向かうとするか。

玄関を勢いよく飛び出し、隣にある彩の家のチャイムを鳴らす。

すると玄関から彩が出てきた。


「どうしたの?レンくん」

「デパートが新しくできるらしいから行こうぜ!」

「う、うん。別にいいけど」

「じゃあ早く準備してこいよ!中で待ってるからさ」

「い、今から行くの?」

「あったりまえじゃん!記念すべき1人目のお客になりたいんだよ!」

「わかったから、中に入って。私も準備とかしないとだからいつも通り居間でくつろいでて」

「おう、わかった!」


いつもながら今回も急だったなぁ・・・。

でも、そこがあいつらしいというか、行動力がありすぎるっていうか・・・

とりあえず早く着替えないと。待たせちゃ悪いしね。

部屋に戻り、タンスを開ける。その中には大量の服が詰まっていた。


「えぇっと・・・今日は色々動き回りそうだから動きやすいものがいいかな」


大量に詰まっている服の中から今日着ていく服をじっくり選ぶ。

しかし、今日はあまり時間が取れないためパパッと決めた。

急いで着替え、化粧を済ませレンの待つ居間へと戻る。

居間に戻るとレンが朝食を作ってくれていた。


「いつもの作っといたぜ!後、姉ちゃんの分もな!」

「うん、いつもありがとう」

「気にすんな、あとその服似合ってるぞ」

「あ、ありがと」


レンがいつも朝に作ってくれるのはベーコンエッグ。他の料理もいくつか作れるが急ぎの時はこれが手っ取り早いらしい。

レンが作ってくれた料理を食べ、書き置きを机の上に置く。


「それじゃ、行こっか」

「おう!」


そしていよいよデパートに向け出発する。

デパートのことが載っているチラシを確認し、場所を確かめる。

するとここからは少し時間がかかるらしいのでバスでデパートの近くまで行くことにした。

近くのバス停まで行き、バスを待つ。すると運がいいのかすぐにバスがこちらに向かってきた。

俺たちはバスに揺られながら目的地に到着した。

彩は人と話すことが苦手なので代金は俺がまとめて払った。

バスを降りると目の前にデパートが見えた。人が見えない。これは一番だと思っていたら・・・

すでに1人、前で待機していた。

デパートに着くと店員から指示を受け、後ろに並ぶ。一番になれなかったのは悔しいけど二番でも充分だと思っている。

しばらく待っているとだんだん人が集まってきた。開店五分前では既に百人ほど並んでいた。

あまりの多さに気を取られているとオープンのベルが鳴らされた。

そして、順番に中に入っていった。


「よし、彩。最初どこに行く?」

「私、新しい服見たいな」

「お前まだ買うのか?前にも買ってたじゃん」

「あれは今関係ないの!さ、早く行こ!」

「おう!」


彩の要望通り洋服屋に向かった。中に入ると、たくさんの洋服が置かれていた。

彩の勢いは止まらず、そのまま走って行った。レンも遅れないよう彩について行った。

向かった先はワンピース売り場だ。彩が何着か手に取り、吟味する。

レンはその間キョロキョロと辺りを見回していた。その時遠目に優たちの姿が見えたので一直線に向かって行く。

それに気づいた彩は急いで商品を戻し、レンの後を追いかけた。

優たちと少し話別れてから、早い昼食にしようと地下にあるカフェへと向かった。

カフェに着き、ランチメニューを注文して席に着いた。

正面に座っている彩は頬を膨らませていた。


「レンくん・・・」

「ご、ごめんって」

「全く、いつものことだから何も言わないけどデート中だからね!」

「はい、すみませんでした」


その後カフェのランチメニューが届き、2人で語りながら楽しんだ。

カフェでのんびりした時間を過ごし、今度はアクセサリーショップへと向かう。

彩がいろいろなアクセサリーを見ている間、レンは店員と話をしていた。

彩はその様子を伺ってはいたが何を話していたかまでは聞き取れなかった。

その後彩はブレスレットを購入し、店を出た。外では既にレンが待っていた。


「さっき店員の人と何話してたの?」

「いや、なんでもない。さ、帰ろうぜ」

「ち、ちょっと待ってよ!」


帰り道、来る時に乗ったバスを待っている時レンが


「ほら、これやるよ。帰ってから開けて見てくれ」


と言い、渡されたのは綺麗にラッピングされた袋を渡してきた。

なんなのかよくわからなかったがバッグの中へとしまった。

バスに揺られ、あっという間に家の近くに着く。今日の時間もあっという間だったなぁと思いふけっている間に家に着いてしまった。


「それじゃあまた明日な。」

「うん、また明日。」


それとない挨拶を交わし、自宅に戻る。そしてすぐさま自分の部屋に向かい、さっき渡された袋を開ける。

そこにはピンクの可愛いペンギンのキーホルダーが入っていた。

すぐに学校用のバックにつける。そしてその時レンからメールが送られてきた。


『俺とお揃いだぜ』


と一文だけ書かれていたがそこに青いペンギンのキーホルダーがついたリュックが写真として一緒に送られていた。

店員と話してたのはきっとこのためだったんだろうと思い、嬉しさのあまり涙がこぼれた。

これから何があっても頑張れそうだ。そう思うと同時に今日が最高の一日だったと実感した。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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