表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/172

第20話 出かけ先での破天荒

委員長の説教が終わり、そこで委員長とは別れた。

その代わりに玲狐がついてくることになった。

家に戻るかどこかに出かけるか悩んでいた時、玲狐がとある一枚の紙をポケットから出してきた。


「ねぇ優くん。行くとこないんだったらここに行かない?今日開店みたいなんだけど」

「デパート?」

「うん、なんでも新装開店キャンペーンもやってるみたいだから。行かない?」

「まぁ俺は構わないけど。燐もいいか?」

「はい、大丈夫です」

「それじゃあレッツゴー!」


玲狐の先導の元、俺たち三人はデパートへと向かう。

地図を見る限り、ここからさほど遠くないがそれでも少し時間がかかるな。

それにしても新しいデパートか、どんなものが置いてあるのか楽しみだな。

さて、もうついてもいい頃なんだが一向に着く気がしない。こいつまさか・・・


「おい、玲狐」

「な、何?優くん」

「・・・お前、さては迷ったな」

「そ、そそそそんなことないってー!」

「ほぅ、なら今どこにいるのか説明できるんだろうな?」

「ひぃ!で、できません!」

「なんでだ?」

「・・・私が・・・道に迷いました。」

「はぁ、そんなことだろうと思ったよ。燐、ここから案内頼めるか?」

「わかりました」

「おう、サンキュ。玲狐、燐と場所代われ」

「うん、燐ちゃん。後は頼んだよ」

「任せて」


そして燐の先導の元、再びデパートへ向かう。

その時、燐がわざわざ近道での行き方を教えてくれた。急いでる時の時短にもなりそうだし覚えておくか。


「そういや燐、ちょっと気になってたんだが」

「なんですか?」

「よくこういう近道知ってるよな。どうやって知ったんだ?」

「それは内緒です」

「おいおいまたかよ。また時期がくれば教えるってか」

「そうですよ」

「まぁ気長に待つとするよ。」

「ありがとうございます」


いよいよ見えてきた。こ、これが新しいデパートか。

すごくデカいな。10階くらいまでありそうだ。

ちょうど開店時間だったらしく人が続々と入り込んでいる。

俺たちもそれに続き中に入る。


「うわー!すごーい!!こんなに広いんだー」

「お前は子供か。少しは落ち着け。」

「それで、どこに行くの?」

「あぁ、うん。ここの洋服屋さんに行きたいの」

「そうか、じゃあ俺は本屋にでも・・・おい、離せよ」

「何言ってるの?優くんもくるんだよ!」

「はぁ?だるいから嫌なんだけど」

「いいからいいから。それじゃあ行こー!」


俺は半ば強引に洋服屋へと連れられた。

いざ着くとそこは既に人がたくさんいた。

無理もないだろう。新オープンならば来る人も多い。

これは一旦引き直した方がいいだろう。

そう思っていた時、店の奥でレンと彩がいた。

見る限りどうやらデート中のようだなそっとしておくか。

玲狐も気づいたようだが2人をこっちに呼ぼうとしている。

まずいな、こいつやっぱりなんもわかってなかった。


「おーいレンく・・・むがっ!」

「お前・・・ホントいい加減にしろよな」

「ぷはっ、な、なんで!?みんなでいた方楽しいじゃん!」

「アホ、よく見ろ」

「あれ、彩ちゃんもいる。ってことはデート中!?」

「全く、気づくの遅いんだよ」

「それだったらそっとしておこうか」

「じゃあ本屋行こうぜ」

「うん」


そうして俺らは洋服屋を後に・・・しようとした


「おーい!優、お前も来てたのか!?奇遇だな!」

「レ、レンくん待って・・・」


おいおい、なんでこっちに来たんだ!?

俺達が気を使って素通りしようとしたのに。


「お前、デートしてたんじゃないのか?」

「確かにデート中だけど優達見つけたし、人が多い方楽しいだろ?」


まさかこいつも玲狐と同じ考えをしてたとはな・・・

玲狐に見られている気もするがここは無視しておこう。


「そういやそっちの子と会うのは初めてだな」

「あぁ、こいつは燐だ。俺の幼馴染み」

「よろしくお願いします」

「おう、よろしく!俺の隣にいるのが彩だ。」

「よ、よろしくお願いします・・・」

「それにしてもここで会うとはな。優達は何をしに来たんだ?」

「あぁ、玲狐が行きたいって言うもんだから一緒に来ただけだ。」

「俺達は開店前から並んでたんだぜ!でも1番にはなれなかったんだよな」

「に、2番でもすごいよ・・・」

「そ、そうか?」

「うん」

「俺達はこれから本屋に行こうと思ってたんだがレンたちはどこに?」

「うーん、とりあえずどっかのカフェにでも行こうかな」

「そ、それなら下にあるみたいだよ」

「じゃあそこ行くか。というわけで俺たちはこれで」

「あぁ、またな。」


レン達とわかれ、少し二人の関係が羨ましいと思っていた時、横ではちょっとした喧嘩が起きていた。もっとも、原因は玲狐みたいだが


「私も優くんとデートしたいなー」

「何言ってるんですか、あなたにはできませんよ」

「な、なんでそんなこと言い切れるのよ!」

「あなたたまにさっきみたいに空気読めないことするじゃない」

「そ、それは・・・」

「もう少し空気が読めるようになった方がいいわ」

「うぅぅ・・・」


どうやら終わったみたいだな。さてそろそろ本屋に向かうとしよう。


「優くん、私って空気読めてないかな?」

「あぁ、そうだな。読めてない時があるな」

「優くんもそうゆうの!?」

「事実だからな」

「ほら、ついたぞ・・・ってあれ?」

「あー、まだオープンしてなかったんだねー」

「流石に全部オープンしてなかったか」

「また日を改めましょう」

「そうだな」


こうして俺たちはデパートを後にした。

その帰りにケーキ屋によった。

今日美玖に相手してやれなかった詫びのためにも必要だしな。

ケーキ屋の店員にはいつものというだけで妹の好きなケーキが箱に詰められる。

俺は機嫌取りの時には必ずといっていいほどここの店を利用する。

ここのケーキはとにかくうまい。ここのケーキ屋が家から近いというのはほんとに奇跡だろう。

俺は店員にお金を渡し、店を出る。

玲狐達も待たせてたのでそのお礼にシュークリームを渡した。

玲狐にとっては充分な報酬らしい。燐も笑顔がこぼれていた。

玲狐達と別れ、玄関を開ける。

するとそこにたっていたのは美玖ではなく、姉である璃亜だった。


「・・・おかえり、楽しかった?女の子達とのデートは?」


これは相当めんどくさいことになったな・・・

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ