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第19話 破天荒な休日

昨日の体育祭で疲れて俺はすぐに寝てしまった。

そして朝起きると隣では何故か美玖がスヤスヤと小さく寝息をたてて寝ていた。

何故ここにいるかは後で聞こう。と思い、とりあえず起こすことにした。


「おい、美玖。起きろ。そして早く俺の布団から出ろ」

「うぅん・・・何、朝からうるさいんだけど・・・」

「いいから早く自分の部屋に行って着替えろよ」

「ふぁい・・・」


美玖はゆっくりと布団から出て、そのまま部屋から出て行った。

そして美玖がいなくなったことを確認し、俺も着替えようと思いクローゼットを開ける。

するとそこでは燐が俺の服で包まって寝ていた。


「・・・おい、燐。起きろ」

「・・・っは!お、おはようございます!」

「おはよう・・・で?どうしてここにいるのか説明してくれるんだよな?」

「えぇっと、それはですね・・・また服を渡して差し上げようと」

「で、お前が今包まっているものはなんだ?」

「あぁ!こ、これはその、なんて言いますか・・・そう!中で待機してると寒くて」

「なら始めから入らなきゃいいだろ?」

「優さん、お忘れですか?」

「何をだよ」

「そこに優さんのクローゼットがあったんです!入らないわけにはいきません!」

「はぁ、そういやそんなこと言ってたな」

「忘れてもらっては困りますよ!」

「自慢して言えることでもないけどな」

「うぅ、それはそうですが」

「はぁ、もうわかったから。とりあえず服もらえるか?」

「あ、そうでしたね。どうぞ、これは私が包まってなかったやつですから」

「ほぉ、包まってた跡がついてるのにか?」

「う、騙されませんでしたか」

「とりあえず今日はこれ着るからいいよ」

「・・・っは、これは今優さんを私が包んでいるようなものでは!?」

「くだらん妄想はよせ、というかいっつも思うんだがお前どうやって入ってきてるんだ?」

「それは内緒です。いくら優さんでも教えられません」

「そうか」

「えぇ、これだけはどうしても教えられないんです」

「とりあえず俺はメシ食いたいんだけど」

「それなら私が連れていってあげますよ」

「いや、でも母さんがもう作ってるだろうし」

「大丈夫です。すでに許可は取ってます。」

「マジかよ・・・」


まさか最初から誘うつもりだったのか?でもそれはないだろう。その前に美玖が俺の布団の中にいたのだから・・・

ということはそれよりも前に燐は隠れていたといことか・・・

一体どうやって美玖にもそして姉さんにもバレずに入れたのか謎が深まるばかりだな


「優さん、どうかしましたか?早くいきましょう」

「あ、あぁすまない。考え事しててな」

「私の秘密も時が来たら教えますよ」

「勝手に人の心を読むなよ」


そして一旦燐に部屋から出てもらい素早く着替え、燐と共にカフェへと向かった。

その道中にコソコソと後ろをつけて来ている奴がいたがあえてスルーしておくか。

どうせ誰だか分かってるしな。


「どうかされましたか?」

「いや、なんでもない。」

「そうですか。あともう少しで着きますので」

「おう」


そのまま進んでいくと遠目ではあるが喫茶店が見えて来た。

近づいていくと喫茶店の開いた扉からコーヒーのいい香りがして来た。

設備もしっかりしており、外でも楽しめるようになっていた。


「さ、入りましょう。ここは私の行きつけなんです」


カランカラン、と鈴の鳴るドアを開け店内に入る。

そしてウェイトレスの人に外の席で、と頼み案内されたところに座り、辺りを見回した。

そこには隣の席でゆったりと本を読みながらくつろいでいる委員長がいた。


「・・・よう、委員長奇遇だな」

「ふぇ!?ゆ、ゆゆゆ優さん!?」

「動揺しすぎです」

「あ、あなたは?」

「失礼しました。私は燐と申します。優さんの幼馴染みです」

「わ、私は結衣よ。優さんのクラスの委員長をしています」

「それで、委員長はどうしてここに?」

「私、休日の朝はここで過ごすのが好きなのよ」

「それはなかなかいい趣味をお持ちですね」

「あ、ありがとう」

「さて、燐。俺達も注文しようぜ」

「あ、はい!」


俺は燐が薦めてくれたサンドイッチを注文し、燐も同じものを頼んでいた。

コーヒーの種類も豊富で俺がキリマンジャロ、燐がコロンビアをチョイスした。

コーヒーを嗜んでいるとサンドイッチが運ばれて来た。

ここのサンドイッチはトーストしてあるパンを使ったサンドイッチのようだ。

どんな味かワクワクしながらかぶりついた。中身はハムとレタス、それにチーズも入ってる。

そして少し振られているコショウとの相性もいい。


「これ凄く美味いな」

「でしょ、ここに来たらこれを頼まずにはいられないの」

「凄い信念だな」


さて、あいつもそろそろ腹が空いてそうだし呼んでやるか。


「おーい、玲狐早く出てこい。出ないとこれ全部食っちまうぞー」


さて、どう出てくる・・・?


「うわぁー!!だめぇ!!・・・あ」

「え?」

「はぁ・・・またですか」

「え、またって」

「ううぅ・・・まさか結衣がいるなんて・・・」

「と、とにかく早く来てください!!何をしてたか今から詳しく聞かせてもらいます!!」

「ゆ、優くん。助けてぇー」

「自業自得だ。俺は知らん」

「そんなー・・・」


この後玲狐は委員長にがっつり怒られました。

その間にさっさと食べ、逃げようとしたがすぐに捕まったのは言うまでもない。

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

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