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第1話 破天荒な幼馴染み


ジリリリリと目覚まし時計がなり、眠気をこらえつつ目覚ましを止めた。時計で時間を確認すると朝の5時といつもより早い時間だった。そもそも自分で目覚ましなんて置いた覚えがなかったがなぜ目覚まし時計がここにあるかは大体の予想がついた、おそらくまたあいつが置いたのだろう。そう思いつつベットから降りる。こんな時間に起きていても何もすることがないだろうと考えていたがとりあえずリビングへと向かった。リビングに着くと母さんが朝食と弁当を作っていた。


「おはよう、母さん」

「あら、おはよう今日は早いのね」

「どこかの誰かさんが目覚まし時計をセットしてそのまま置いてったからね。まぁ誰が置いていったのかなんてすぐわかるけどさ」

「それもそうね」


母親とたわいもない話をしている間に玄関のドアが勢いよく開いた。


「おはようございます!!」


こいつの名前は稲荷 玲狐。容姿端麗、成績優秀でクラス,,,いや、学校全体での人気者である。他人には優しく接し困っている人を率先して助け、先生たちからも信頼されている。家が隣同士であり、幼稚園から関わりはあるいわば幼馴染である。


「玲狐ちゃん、おはよう」

「おはようございます、おば様」

「よう、よくも目覚まし置いていったな」

「だっていっつもギリギリまで寝てるじゃん!」

「だからって人の部屋に目覚まし時計勝手に置くなよ」

「う、それは謝るけどでも起きない方も悪いよ!」

「それは母さんも同意だわ」

「ちょ、母さん!?」


ここには俺の味方がいないのか!?


「優、これからははやく起きなさい」

「善処します」

「優くん怒られてるー」

「誰のせいだ、誰の」全く朝から疲れる

「ほら、ご飯もう少しでできるから顔洗ってきな、玲狐ちゃんは食器とか準備してくれるかしら」

「はーい」

「いや、お前朝食ぐらい自分の家で食えよ」

「えー、別にいいじゃん」

「いいからあなたははやく顔を洗ってきなさい」

「へぇい」


後ろで玲狐がクスクスと笑っていたのであとで懲らしめてやろうかと思っていたが母さんに見つかると後が怖いのでやめた。顔を洗い終わり再びリビングへ向かうとすでに朝食ができていた。玲狐がニコニコしながらこちらを見ていたので


「どうした、仲間にでもして欲しいのか?」


そう聞くと玲狐が急に頰を赤らめ始めた。


「ようやく私のことをあなたのお嫁さんにしてくれるの?」


とそう聞かれたが


「いやいや、それはまだ早い。俺は今の所恋人を作るつもりはないんだ」

「今の所はってことは時期になれば結婚してくれるってことだね!」

「え、いや、そこまでは言ってな」

「あー楽しみだな」


だめだ、完全に自分の世界に入り込んでる。こうなるとこいつは手がつけられないからな。俺は玲狐を無視して朝食を食べ始める。いつもながら母さんの作った朝食は最高だ、パンにベーコンエッグ、デザートにリンゴと栄養バランスが考えられている朝食だ。おかげで最近病気にはかからないほど健康になった


「やはり、結婚相手には母さんの味を超えてもらいたいな、なかなかできることじゃないと思うが」

「あら、そんなこと言われるなんて嬉しいわね」

「ごちそうさま」


朝食を食べ終わり片付けようと椅子を引くと玲狐がようやくこちら側に戻ってきた


「あー、優くんがもう食べ終わってるー」

「お前がずっと戻ってこなかったのが悪い」

「どこ行くの?」

「制服に着替えるんだよ、悪いか」

「そっかじゃあ私これ食べ終わってから戻るね」

「はやく戻れよ、遅刻しても知らんからな」

「え、待っててくれないの!?」

「ああ、俺はお前を待たない主義だからな」

「何それひどい!」

「それじゃ俺は部屋に戻って着替えてくるから」


そう言い残した後キッチンに食器を置き、自分の部屋に戻った。

部屋に戻りクローゼットから制服を出そうとするとクローゼットの中からガタガタと音がした。何事かと思いおそるおそるクローゼットの扉を開くと中には女の子が入っていた、俺の制服を持ちながら。


「あ、おはようございます優さん」

「おう、おはよう。ところでお前今俺のタンスで何してた」

「え、えぇっと…あ、せ、制服をお渡ししてあげようかと」

「そうかそうか、ってならねぇよ!」


こいつは月音 燐。こいつもまた家が隣同士の幼馴染。容姿はとても美しいがただのストーカーである。始まったのは中二の秋頃理由は不明だ。中学の時は後ろをコソコソついてくるだけだったが高校生になってから勝手に人の部屋に入っていたりクローゼットの中に入っていたりと日を追うごとにひどくなっている。


「なんでですか、制服ちゃんと渡してるじゃないですか!」

「そこじゃねぇ、なんで俺のクローゼットに勝手に入ってるんだよ」

「…優さん登山家は山を見たら登りたくなるとかよく言いますよね、つまりそうゆうことですよ」

「どのみちわけわからん。いいからクローゼットから出ろ、そして俺の部屋からも出で行け!」

「えー、着替えくらい一緒にしましょうよー」

「お断りだ!」


俺は強制的に部屋から燐を追い出した。全く朝からこれだ、だから早く起きたくなかったんだ。とりあえず俺は制服に着替える前に部屋を一通り見渡す、すると部屋に見知らぬぬいぐるみが置いてあった。これを見た瞬間すぐにぬいぐるみを手に取り調べた。調べていたらぬいぐるみの片目が赤く光っているのでもしやと思い取り出すと小型カメラが出て来た。俺はそれを床に思いっきり叩きつけた後思いっきり踏みつけた。足を上げるとカメラは粉々になっていたその残骸を回収しゴミ箱へと捨て制服に着替えた。こんなことが何回もあると流石に慣れてくるが慣れてしまった自分が嫌になってしまう,,,

着替えを終え再びリビングに戻るとすでに制服に着替えていた燐と玲狐が待っていた。やはり二人とも見た目はいいので制服が似合っている。玲狐と燐には非公式のファンクラブがあるとの噂も聞いたことがある。


「優くん早く行こう、遅刻しちゃうよ」

「優さん早く行きましょう」

「わかったよ」


玲狐と燐に引っ張られながら渋々決断をした。


「それじゃ行って来ます」「行ってらっしゃい、気をつけてね」


母さんに別れを告げ学校へと向かった。サラバ平和なマイハウス。そしてこんにちは地獄の学校。

お読みいただきありがとうございます。

毎週月曜更新予定です。

初めて描いたので気に入っていただけたら嬉しいです。

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