表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/172

第17話 破天荒な体育祭その6

『位置について、よーいドン!』


掛け声と同時に選手たちが勢いよく飛び出し、目の前にある机に向かって走り出した。

そして机の上に置かれている紙を取り、お題を確認する。

中身を確認し、すぐさま客席に向かったりクラスの元へと向かうもの。

お題の紙を見てそのままその場で固まっているもの。

さて、うちの委員長はどのタイプかな・・・一直線にこっちに来たな。

・・・あ、転んだ。

大丈夫なのか?と心配していると急に立ち上がり


「優さん、ちょっと一緒に来てもらうわよ」


若干涙目になりながらも俺の腕を掴みゴールへと向かって行った。

訳も分からず混乱した頭を冷静に保とうとするが今走っているため、落ち着いてもいられなかった。

委員長はどんどんと走っていき3位でゴールを決めた。

そのあと委員長はその場に座り込んだ。あんなに走っていたらこうなる事は予測できただろうに・・・

落ち着きを取り戻し、何が書かれていたのかが気になるため聞くことにした。


「なぁ、紙にはなんて書いてあったんだ?」

「・・・異性の友達よ」

「あぁ、なるほど。」


借り物競走で借りるものはものだけじゃないのか。

だからその場に固まる人もいたのか。

その人達の紙には何が書かれていたか気になるがまだ応援があるため再び元の場所に戻るか・・・っとその前に


「ほら、絆創膏だ。後でちゃんと貼っとけよ。」

「ありがと」

「気にすんな」


戻ると玲狐が少し不機嫌そうな顔をしながら座っていた。


・・・おかえり」

「おう、なんでそんなに機嫌悪そうなんだよ」

「別に、なんでもないし」

「絶対わけアリだろ・・・」


玲狐はそのままそっぽを向いていたがたまにこっちに振り返ったりしたが俺と目が合う度にまたそっぽを向く。

一体何がしたいんだ・・・

お、次はクレアの番か。あいつはどんなお題を引くんだろうか。

それが楽しみで仕方がない。


『位置について、よーいドン!』


掛け声とともにみんないっせいに走っていく。

そして机の上に置かれているお題の紙を確認する。

今回のお題は簡単なのか皆がすぐさま探しているものの場所へと向かう。

クレアも委員長と同じくこちらの方へと走ってきた。


「玲狐さん、来ていただきますよ!」


そして2人はゴールへと向かった。


「クレアさん、何が書かれていたの?」

「これです。」


そう言い見せられた紙には『ライバル』と書かれていた。


「そういう事ね、いいわこのまま向かいましょう。」


そして2人は見事1位でゴールを決めた。

ゴールを決めた後2人は固い握手を交わしていた。


「玲狐さん、お互いがんばりましょう」

「えぇ、最後に笑うのがどっちになるのか楽しみだわ。」


そして玲狐と順位の確認を終えたクレアと委員長が戻ってきた。


「あれ、委員長遅かったな。」

「傷口洗ってたのよ。」

「そうか、怪我酷くなくてよかったな。」

「そうね、あと絆創膏ありがとうね。助かったわ」

「気にすんなって言ったろ」

「そうだったわね。でも今度お礼はするわ。」

「わかった、そんじゃ今度頼むわ。」


委員長との話を終え振り向くとずっと自慢したかったのかクレアがうずうずしていた。


「クレア、1位おめでとう」

「ありがとうございます!頑張って走りました!」

「それにしてもお前の紙にはなんて書いてあったんだ?」

「それは私と玲狐ちゃんの秘密です。」

「そうよ、2人だけのね」

「そういや呼び方いつ変えたんだ?」

「元々こうだよ。」

「そうですわ。」

「そうか。そういや玲狐、いつの間にか機嫌直ったみたいだな。」

「まぁクレアちゃんのおかげかな」

「そうか、クレアに感謝だな。」

「さぁ玲狐ちゃん、どいてください。私のところなので」

「えー、私もここがいいー」

「知りません!早くどいてください!」

「嫌だー、優くんからも何か言ってよー」

「とりあえず元いた場所に戻れ」

「ほら優くんもこう言ってますから、早くどいて下さい!」

「優くんの裏切り者ー!」

「お前を裏切った覚えはない。」


結果的に玲狐が渋々元の場所に戻ることになった。

当然なんだけどな。あいつのわがままなところもそろそろ治って欲しいものだな。


『ただいまより、最終種目の1年生によるリレーが始まります。生徒のみなさんは準備を進めてください。』


お、ついに最終種目か。ということはもう体育祭も終わりなのか。

ほんとにあっという間だったな。俺はアンカーだったな・・・皆の期待に応えられるよう全力で頑張るか!

お読みいただきありがとうございました。ご意見ご感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ