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第168話 破天荒な2人

卒業式の日、ホームルームが終わった後に話があるから後者の裏で待っていて欲しいと2人の人物に呼ばれていた。

最初に現れたのは、クレア。

あの事件以降、積極的に来ることは少なくなったが、今でも友好的な関係を築けているはずだ。

思えばこうしてちゃんと呼び出されるのは初めてかもしれない。


「あの、優くん」

「なんだ?」

「私と結婚を前提にお付き合いしてください!!」

「・・・ごめん、それは無理だ」

「やっぱり、私はダメだよね」

「すまない、俺にはもう彼女もいる。だから、お前の気持ちには答えられない」

「・・・そっか。ねぇ、もし私がもっと前に告白してたら私達、付き合ってたかな?」

「どうだろうな、もしかしたらそうなっていたかもしれないが」

「・・・ねぇ、最後に一つだけ、いい?」

「あぁ」

「大学でもよろしくね、優くん」


そう言いながら、クレアは俺の受けていた大学の合格通知を見せつけてきた。

まさか同じところを受けていたとは、全く気が付かなかった。

クレアは合格通知を仕舞うと、こちらに手を振ってから学校に戻っていった。

・・・さて、クレアが終わったということは恐らく次のやつももう来ているはず。

というか、少し髪がはみ出してる。

笑いをこらえながらも、俺は影に隠れている人の名前を呼ぶ。


「おーい、結衣。そんなところにいないで出て来いよー」


そう呼ぶと、物陰から結衣が顔を赤くしながら出て来た。

こいつ、もしかして気づかれてないと思ってたのか・・・?

まぁ、そこはいいか。とりあえず本題に入ってもらわないと。


「それで、俺を呼び出した理由はなんなんだ?」

「あ、あのね。わ、私と留学しにいかない・・・?」

「留学?」

「えぇ、私来年から外国の大学に行くことになってて、もしよければ優さんも一緒にどうかな、なんて」


留学か、確かにいい経験になるかもしれない。

だが、俺はここを離れる気にはならないな。


「すまない、とても魅力的な提案だが、今回は遠慮させてもらうよ」

「ど、どうして!?」

「どうしてと言われても、最近付き合ったばかりの相手を置いて行きたくはないしな」

「そ、そうなの・・・?残念だわ」

「委員長はこのまま海外の大学に行くのか?」

「えぇ、そのつもりよ。国内だけじゃなくて世界中で活躍できるようにもっと自分の知識を広めたいの」

「そうか、やっぱりお前は立派だよ」

「そ、そうかしら」

「あぁ、本当にそう思うよ」

「また機会があればあなたを誘うわ」

「その時は是非お願いしたいものだな」

「それじゃあ、また会う日まで・・・」

「おう」


話を終えると、結衣は歩いて学校まで戻って行った。

さて、俺もそろそろ戻らないとな。あいつらが待ってる。

お読みいただきありがとうございました。

次週、最終回になります。

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