第161話 破天荒な見直し
受験が終わり、俺達はやっと落ち着くことができた。
お互いにベストは尽くしたので、後は受かっていることを祈るばかり。
そんな中、問題に対してどんな回答をしたか三人で見直しをすることになったのだが、進めていくうちに全員が一致していたり、逆に全員バラバラな答えなどが多数存在していた。
その度に教科書や自分の使っていた教材を持ち出し、答えを導き出して、あっているのが確信になったり、間違って記入したかもしれないという後悔もある。
しかし、もう終わってしまってる以上俺たちにはどうすることもできないので、合格していることを合格発表の日までただひたすらに願うのみ。
受験が終わった今、学校に行く必要もないので、俺達は遊び放題と言うわけで・・・
今までできなかった分のイベントと精一杯楽しんだ。
溜め込んでいたゲームの消化、映画鑑賞、外食などなど、さまざまなことを楽しんだ。
もちろん玲狐とデートもした。
数ヶ月ぶりのデートの時の玲狐の服装はめちゃくちゃ気合が入っていた。
ただでさえ美人なのに服装が大人っぽくなっていて、口数もなぜか少なかったので結果、誰もが振り向く絶世の美女のようになっていた。
喋り出すとその面影は消えてなくなるんだが・・・
玲狐は喋り過ぎなきゃ本当に美人なんだよなぁ、と心の奥底で俺は思っている。でも、そんな女性が自分の彼女だと思うと鼻が高い。
そして昨日、玲狐とデートしている時、玲狐にとある質問をされた。
「ねぇ、優くん。燐ちゃんのことってどう思ってる?」
「燐?そうだなぁ、気の合う友人ってところか?」
「そっか、優くんはそうなんだ」
「俺はってどういうことだよ」
「ううん、なんでもないの。でも、明日一日燐ちゃんデートしてあげてくれないかな?」
「別にそれは構わないんだが、お前は大丈夫なのか?デートってまで言い切られて」
「私も初めは断ろうとしたんだけど、今回は押しが強くてね」
「なるほど」
「そういうことだから明日よろしくね!バイバーイ!」
そう言って玲狐は帰って行ったんだが、その約束の日が今日という訳だ。
どんな店に行こうか考えながら外に出ると、着物姿の燐が立っていた。
「お待ちしておりましたよ、優さん。さ、行きましょう。・・・、優さん?」
俺はあまりの衝撃の多さに少しの間口を開けたまま気絶していた。
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