第160話 破天荒な受験
いよいよ今日は大学入試本番、今まで学んできた事をしっかりと発揮できるように頑張ろう!
試験会場までは姉さんが送ってくれることになっているのだが、姉さんの姿がどこにも見えない。気になって母さんに姉さんの事を聞いてみると、朝早くに起きて神社に合格祈願をしに行っていたようで、もう時期帰ってくるらしい。
全く、姉さんは心配性だな。でも、ありがとう。
しばらく待っていると、姉さんが家に戻ってきたので玲狐と燐を呼びに行くのだが、家に行くのは玲狐だけで充分そうだな。
玲狐の家のドアを開け、一直線に玲狐の部屋へ向かう。
部屋のドアを開けると、まだ眠り続けている玲狐の姿があった。
夢の世界で楽しんでいるところ悪いんだが、時間もないんでな!
俺は玲狐から布団を引き離した。すると、玲狐は体を丸め、小刻みに震え出した。が、これでもまだ起きないので頭部に起きるまでチョップを食らわせる。
10発目に差し掛かろうとしたところで玲狐がようやく起きた。
「ねぇ、なんかすごく頭が痛いんだけど!?」
「あぁ、起きたか。おはよう、早く飯食って準備すませろよ。もう姉さん達は待ってるんだから」
「え、わぁ!!こ、こんな時間だったの!?もっと早く起こしてよ!!」
「いや、それくらいは自分で起きてくれよ・・・」
10分後、急いで準備を終わらせた玲狐が家から駆け足で出てきた。
玲狐が後ろの席に乗り込むと、隣にはすでに燐が座っていた。
実は、燐は朝から姉さんと行動していたため探す必要がなかった。
だからこそ俺が玲狐を起こしに行けたわけで、そうじゃなければ俺達は遅刻していたかもしれないな。さて、少しドタバタしたが、いざ受験会場へ!
受験の会場となる大学、そこには既に大人数の受験生が集まっている。
これは負けられないと、俺は対抗心を燃やしていた。
しかし、玲狐は人の多さに驚いたのか燐の肩に捕まったままだ。
「い、意外に多いんだね」
「まぁ、普通に設備も整ってるしな」
「後、より詳しい分野を学べるところでもありますしね」
「ふ、二人は緊張してないの?」
「緊張はしてますよ、でも」
「玲狐のその姿を見たらなぁ・・・」
「な、なんでニヤニヤしてるのよ!」
「なんだかいつも通りみたいだからさ、俺自分の実力をしっかり出しきれそうな気がするよ」
「私も同意見です」
「え、わ、私もだよ!」
「おぉ、そうか玲狐も自信あるんだな!」
「そう見たいですね」
「も、ももももちろんだよ!」
「なら、心配はいらなそうだな。それじゃあまた終わった時に会おうぜ。全員ベストを尽くして頑張ろう!」
「「「おー!!」」」
こうして俺達は各々の受ける試験会場に向かった。
今まで頑張ってきたものをここで全て出し切ってやる。
そしてまた三人で・・・!
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