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第159話 破天荒な息抜き

いよいよ今月末に迫った受験、その日に備え俺達は三人で集まらず、それぞれが自宅でより集中できる環境の中やることにしたのだが、玲狐から三人で出かけないかとの誘いの連絡が来る。

初めは断ろうとしたが、ここ最近は勉強ばかりで息抜きもあまりできていなかったし、気分転換にもなりそうなので誘いに乗ることにした。

集合場所が俺の家の前っていうのはもう分かりきっていたのだが、既に燐が家の前で待っている。

その様子を見て、俺は慌てて身支度を整えて玄関を出る。


「す、すまん!まさか先に待ってたとは」

「いいえ、別に構いませんよ。それよりも・・・」

「玲狐はまだ来てないのか?」

「恐らくですけど、多分寝てると思います」

「あいつ、自分で俺達のこと呼び出しておいて・・・」

「どうしますか、優さん」

「どうもこうも起こしに行くしかないだろ」

「そう言うと思ってました。これ合鍵です」

「うん、ありがとう。・・・いや、なんで持ってんの!?危うく何も気にせずに行くところだったぞ!」

「なぜ持ってるかと聞かれましても、たまたま玲狐のお母さんに会っただけですが」

「まぁ、鍵があるのならそのまま起こしに行くしかないだろ」

「そうですね、バズーカとかいります?」

「・・・お前もしかしなくても寝起きドッキリしようとしてるな?」

「さて、なんのことでしょうか」


玲狐の家の鍵を合鍵を使って開けていよいよ玲狐の家の中に潜入する。

足音を立てないように慎重に向かう。

もはや出かけることよりもこっちの方がメインイベントになってる気がするんだが、もう気にしないでおこう。

玲狐の部屋の前にたどり着いた時、燐とサインを出し合いドアを静かに開ける。

すると、部屋の中でぐっすりと眠っている玲狐の姿があった。

集合時間は過ぎているってのに呑気なやつだ・・・

そんな玲狐にはとっておきをお見舞いしてやらないとな!

俺は横によけ、バズーカを持った燐に席を譲る。

そして燐が玲狐の目の前に立った次の瞬間、バーン!!と大きな音が鳴った。

それに反応して玲狐は飛び起きた。


「え、何何何!?」

「テッテレー」

「玲狐、ドッキリだよ」

「へ、ドッキリ?」

「寝起きの人にバズーカを打ったらどうなるか、ですよ」

「な、なんだ」

「さぁ、問題です。今は何時でしょう!」

「え、8時くらい?」

「正解は10時でしたー。寝過ぎだ玲狐」

「あー!!!」

「え、お前忘れてたのか!?」

「え、えへへへへ」

「自分で考えてたのに、どうして忘れるんですか」

「その、今日のこと考えてたらその他が疎かになっちゃってつい」

「はぁ、とりあえず着替えてこい。早く行くぞ」

「はーい!」


自分で企画しておいてまさか寝坊するとは、俺は全く思ってなかったぞ。

でも、燐の意外な一面は知れたな。今度一緒に誰かにドッキリでも仕掛けてみるか・・・

お読みいただきありがとうございました。

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