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第158話 破天荒なお参り

受験勉強をしているうちに、気が付けば新年を迎えていた。

新年の1日くらいなら休憩として休んでもいいだろう。

そんなわけで朝から初詣に行こうとしていたのだが、家の前で既に着物に着替えた玲狐が待ち構えていた。


「優くん、あけおめ!新年だよ、一緒に初詣行こう!!」

「お、おぉ。おけおめ玲狐。やけにテンション高いな」

「ふっふっふ。私はこの日を待ち侘びていたからね!!新年最初の日、お正月!!そんな日は優くんでも休むはずと見越していたのよ!!」

「その努力をもう少し勉強に向けてくれたらいいんだけどなぁ・・・」

「さ、早く行きましょう!二人きりの初詣!」

玲狐が優の腕に抱きつこうとしたその時、後ろから玲狐の頭にチョップが振り落とされた。玲狐は頭を押さえながら地面にしゃがみ込み後ろを振り返る。

すると、後ろでは燐が笑っていた。


「もぅ、いつの間に私の後ろにいたのよ!」

「あら、ごめんなさい。気づいているかと思ってました」

「わかるわけないでしょ!!」

「ん?でも俺が後ろにいる時は把握できてるよな?」

「そりゃ、優くんの気配ならわかるよ〜」

「そんな当たり前のことを聞いて急にどうしたのですか?」

「い、いや。なんでもない」


そっか、俺の気配はどこからでもわかるのが普通なのか。

それなら仕方ないな・・・っていやいやそれはおかしいだろ!!

何をあいつさも当然かのように言ってたんだ!?玲狐も大概だが燐もわかるのかよ。

なんか俺だけ仲間外れで他みんなが何かしらの超人技を身につけているような気がしてきたんだが・・・

優はしばらく悩みながら神社まで歩いていたが、神社についても結論は出ず、とりあえず後で考え直そうという結論にたどり着いた。

神社に着くと、階段から既に行列ができている。流石にもう少し早めに向かったほうが良かったか?そう思っていたが玲狐と燐はおしゃべりに夢中だから時間が経つのもあっという間なのだろう、それはそれで羨ましいんだが。

俺も話に混じろうと思っていたが、途中で携帯が鳴り出した。


「やぁ、あけましておめでとう!」

「あぁ、里奈さん。あけましておめでとうございます」

「後ろは随分と賑わっているようだけど、外にでもいるのかな?」

「えぇ、初詣に来ているのでその人達の声かと」

「そうか、ところでそろそろ君は受験が近いだろう。どうだい、いけそうか?」

「おそらくはいけるかと」

「そっかそっか、じゃあ入学を楽しみにしているよ。それじゃあ!」


切れた。でも、里奈さんが期待してくれているしもっと頑張ろう!

里奈さんとの電話を終えると、玲狐達から冷たい視線を浴びせられ続けていたが、必死にそれに気づかないフリをして耐え続けた。

長い列が進み、いよいよ俺たちの番となった。お金を投げ入れ、俺達三人が一緒に受かりますようにと願っておく。後は帰りに合格祈願のお守りを買って帰宅する。

受験当日まで後少し、ラストスパートだ!!

お読みいただきありがとうございました。

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