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第156話 破天荒な引き継ぎ

楓を生徒会室まで案内したはいいが、これから何を教えればいいんだ?

ここに来るまでの間に考えようと思ってたけど何も思い浮かばなかったし・・・

後、何故かわからないけど美玖も着いて来てるし。


「おい美玖、お前部活に戻らなくてもいいのか?」

「え?元々部活なんて生徒会入ってからあまりいけてないし生徒会のことで理由つければ何も言われないから」

「こいつ・・・」

「え、えっと。それで私は何をすれば?」


っと、そうだった。あくまで目的は楓への説明だ。美玖の行動については後で説教するとして。

あ、そうだ。そういえばこういう時のためにあれがあるんだった!

優が棚を探し出すと、棚の中から大きなファイルが出てきた。


「このファイルには、生徒会の仕事や困った時の対処法などが全て注ぎ込まれている。これを見れば何をやるのかがわかりやすいと思うぞ。最も、作ったのは俺じゃないんだが」


そう、これら全てを作ったのは里奈さんだ。

これのおかげで俺も無事に生徒会長をやり切ることができた。

楓がしばらくファイルを見続けていると、美玖がこっそり近づいてきた。


「ねぇ、あれってそんなに詳しく書かれてるの?」

「あぁ、里奈さんが作ったものだからな。所々に必要なさそうなことも書いているがな・・・」

「・・・じゃあさ、私が入った時どうして見せてくれなかったの?」

「それは、だな。ごめん、忘れてたんだ」

「どうせそうだと思ったよ!!お兄ちゃんのあほ!!!」

「き、急に叫ぶなようるさいな」

「それさえ読んでれば私ももっと堂々としてたよ!」

「わかったよ、今からでも見ればいいじゃないか」

「言われなくても見ますから!!」


美玖は少し怒りながらも楓のもとへ向かって行った。

その後は二人で黙々とファイルを見続けていた。

さて、読み終わるまで時間もかかりそうだし今のうちに明日の書類片付けるか。

それから1時間後、二人とも読み終わったらしくファイルを返しに来てくれた。


「これ、ありがとうございました。すごく参考になりました」

「あぁ、そうか。それは何よりだ」

「私ももっと頼れるようになったわよ!」

「そうか」

「むぅ、なんか私だけ対応薄くない?」

「気のせいだぞ、俺は誰に対しても態度を変えたりはしないからな」

「・・・奏蘭さんは」

「さぁて!!二人ともファイルを読み終えたみたいだし生徒会についてわかったんじゃないかな!!」

「え、あ、はい!これから頑張らせていただきます!」

「その息だ!美玖が副会長となってかえでをサポートするからぜひ頑張ってくれ」

「はい!一緒に頑張ろうね、美玖ちゃん!」

「・・・え、ちょっと待って私が副会長!?」

「当たり前だろ。他に誰がいるんだよ」

「か、楓先輩は他の人がいいと思いますよね?」

「私は美玖ちゃんがいてくれると嬉しい・・・かな」

「だそうだが?」

「うー・・・わかったわよ!なればいいんでしょ、なれば!」

「よし、ならば今日は解散!お疲れ様!!」


美玖と楓、この二人なら安心して任せられそうだな。

二人の仲も良さそうだし、きっと信頼し合ってるんだろうな。

お読みいただきありがとうございました。

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