第142話 破天荒な尋問
玲狐と別れた後、俺は自分の部屋に直行した。さっきまで玲狐と話していた内容がまるで走馬灯のように頭を駆け巡る。
本当は文化祭辺りに俺からしようと思ってたんだが、見事に先を越されちまったな。
でも、彼女か・・・
優がブツブツと何かをつぶやいていると、璃亜がドアを開けた。
「うぉ、姉さんか。びっくりした、いきなり開けるなよな」
「・・・あ、うん。それは謝るけどさ優、何かあったでしょ」
そう言われた瞬間、優は座っていた椅子から転げ落ちた。
少しの間、床と見つめあった後、何気ない顔で椅子を立て直し座った。
「それで、何の話だっけ」
「うん。私の話もあるんだけどさ、あたかも自分は椅子から転がり落ちてませんよ、みたいな表情やめてくれない?」
「そう言われても本当に落ちてなんか」
「さっきの映像スマホで録画してたんだけど」
「よし、その携帯を寄越せ。今すぐデータを消去してやる」
「・・・認めたね」
「あっ」
「ていうかこんなのはどうでも良いの、他に何かあったでしょ」
「って言われても思い当たる節は・・・」
「じゃあ何でそんなに顔がにやけてるのよ!!」
「え?」
璃亜から手渡された手鏡で自分の顔を見ると、確かに頬が緩み、完全なにやけ顔になっていた。
自分でも気が付かなかったが、これは確かに普通じゃない。絶対に何かしら良いことがあった時の表情だ。
「さ、早く白状した方が楽だよ」
「白状って・・・そんな大げさにするような話は持ってないし」
「全然口割らないわねぇ。こうなったら最終手段よ!」
璃亜はポケットから携帯を取り出すと、どこかに電話をかけ始めた。
数分話し込んだ後、携帯をポケットにしまい、優の方へ向き直った。
「ふふふ、最強の助っ人を呼び出したわ。これであなたが情報を吐くこと間違いなしよ」
「さ、最強の助っ人?それって一体・・・」
「来れば分かるわ」
待つこと2分、どうやら助っ人が到着したらしい。
姉さんは駆け足で玄関に向かっていた。俺も姉さんと一緒に玄関に降りる。
玄関に到着すると、そこにいたのは綺麗な花束を持った奏蘭さんだった。
その花束は姉さんに渡すものかと思っていたが、何と俺のところに差し出されたのだ」
「優くん、初彼女おめでとう!!」
「は、はぁあああああああああああああああ!?」
うわ、姉さんが発狂してしまった。これは中々面倒なことになりそうだ・・・
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