第134話 破天荒なボランティア活動
そして迎えたゴミ拾い当日、集合場所には既に大勢の団体が集まっていた。
学生や大人子供、年配の方まで幅広い世代の人達がいる。
その中でも一際目立っているのは、ハイテンションでいろんな人と話し込んでいる姉さんだ。
何というか昔から姉さんは目立つんだよな。
誰に対してもフレンドリーで、優しくておまけに美人だからな。
そんな人が主催してやるならこれだけの人気が出てもおかしくはないな。
でも、さすがに人数が多すぎるんじゃ・・・
そう思っていると、姉さんが近くの噴水の上に立った。
「よし、時間になったし早速始めるわよ!今日はこの町内を各グループで分散してゴミを回収しに行くわよ。じゃあ組分けするからちょっと待っててね」
そう言いながら噴水からから降りると、近くの人から順番にカードを渡していった。
そして俺達の順番になると、姉さんからBと書かれた二つのカードが手渡された。
よくわからないまま受け取ったが、あとで何かしらの説明があるのだろうと思いそのときは何も言わなかった。
数分後、すべて配り終えたのか再び噴水の上に立った、
「みんなカードは行き渡ったわね。それじゃあ今日やってもらうところを発表するわ。A班は地域内の学校周りを。B班は交差点と十字路の場所を。C班は図書館とショッピングモール方面を。D班は残りの小さな場所をそれぞれ一人ずつ別れてやって貰います。これで全部なんだけど、みんな分かった?」
そう聞かれた瞬間、男達の凄まじい声が公園内に広がった。
理由はともあれ、みんなやる気に満ち溢れているな。これは俺達も負けていられない。
「頑張ろうな、クレア」
「はい、優くんとなら何処へでもゴミ拾いに行きますよ。たとえドブに浸かっても、車に撥ねられても・・・」
「よし、その辺にしておいてくれ。ちょっと怖いから」
「そうですか?まだ何もひどいこと言ってませんけど」
「まだっていう事はいつかは言おうとしてたってことだよな!?」
最近のこいつらたまに手段選ばなくなってきたから後の処理が一番面倒くさいんだよな。
人の部屋に勝手にカメラを仕掛けるし、不法侵入するしで・・・
ま、まぁとりあえず今はゴミ拾いに集中しよう。
探すとやっぱり落ちてるもんだな。落ちてないほうが好ましいんだが。
しかしこうしてゴミを拾って行って綺麗な道になっていくのを見ていると、なんだがとても幸せな気持ちになるな。
よし、やる気も出てきたしもう一踏ん張りするか。
それから約2時間後、ゴミ袋、2袋分のゴミが取れた。道を見渡すと、最初の時よりもすごく綺麗になっているのが実感できる。
あぁ、俺たちはこのために頑張ってたのかと思うと、とても感慨深いな。
今回のゴミ拾いは中々楽しめたし、今度また機会があったら参加してみるのもいいかもな。
お読みいただきありがとうございました。