第132話 破天荒な修学旅行最終日
「お、俺は玲狐のことが好きだ!!」
優がそう宣言すると、奏蘭達が一瞬固まった。が、すぐににやにやとだらしない表情になっていった。
「へー、優ってばやっぱり玲狐ちゃん狙いだったのね!」
「玲狐ちゃんのどこが好きなの?どんなところに惹かれたの?」
「ち、ちょっと二人とも・・・」
「やっぱり何か決め手があったの?」
「ねぇ、優もったいぶらずに早く教えてよー」
「う、うわぁああああ!!!」
優はグイグイと来る二人の質問に耐えきれず、店を飛び出して行った。
脇目も振らずに走った。が、気が付けば何処か分からない交差点まで辿り着いてしまった。
こ、ここは一体・・・っは!そろそろ集合場所に戻らないと怒られる。
まぁ、幸い携帯は持って来てるしすぐに帰れる。そう思っていたが、優が携帯を付けようとするとそのまま画面が消えてしまった。
ここでまさかの携帯の充電切れが発生してしまった。
や、やばい・・・!このままだと本当に帰れなくなる!どどどどど、どうしよう!!!
誰かに道を聞こうにも人通りが少ないから聞けないし、これ本格的にまずいんじゃないのか?
優が絶望している時、横から唐突に玲狐と燐が現れた。た、助かったのか・・・?
「優くん、やっと見つけた!!」
「優さん、ずっと探していましたよ」
「あ、あぁ心配かけて悪かったな。でも一体どうやってここが?」
「それは優くんに着いてるGP・・・って、そんなことはいいから早く戻ろ!!」
「え、いや、でもどうやって来たか俺も分からなくて」
「・・・何言ってるの?」
「集合場所はこの裏ですよ?」
「え・・・?」
恐る恐る反対側を見て見ると、すでに何人かが集合していた。
ま、まぁ時間に遅れなかっただけマシか。
数分後、全員分の確認の点呼が取れたので空港に向けて出発することになった。
なんだかんだで短かった二泊三日の修学旅行だったが、俺にとっては忘れられない修学旅行となった。
お読みいただきありがとうございました。