第131話 破天荒な修学旅行3日目 約束の時間
ついに修学旅行も最終日を迎えた。なんだかんだであっという間の三日間だったな。
最後の自由時間思う存分楽しんでおきたいんだが、そう上手くはいかないものだ。
この自由時間に俺は奏蘭さんから呼び出されている。もちろん内容はあの事についてだが
俺はみんなに気付かれないようその場を離れ、奏蘭さんの指定して来た喫茶店に向かう。
数分歩くと、民家に着いてしまった。あれ、どこかで道間違えたかな・・・俺が行こうとしてたのは喫茶店だったんだが。
そう思っていると、中から人が出て来た。
「あ、優くん。着いてたんだったら入って来ればよかったのに」
「え、本当にここなんですか!?」
「あー、確かに初めてみたらここが喫茶店ってわかんないよね。ごめんごめん」
「まぁ外で話してるのもなんですし、中入りましょう」
「それもそうね」
二人は喫茶店の中に入り、奏蘭が取っていた席に着いた。
奏蘭が事前に注文していたコーヒーが届き、二人は一口だけ飲んだ。
「それで、誰にするか決まった?」
「・・・はい」
「それじゃあ聞かせてもらおうか、優くんは誰を選んだの?」
「俺は・・・」
優が言葉を発する直前、喫茶店のドアが勢いよく開いた。
扉をくぐって出て来たのは、息切れをしながらドアに寄りかかっている璃亜だった。
「ね、姉さん!?」
「あら、遅かったわね」
「と、時計が壊れてたのよ・・・」
「そう、それは災難だったわね」
「それよりも優の答えはもう出たの?」
「ちょうど今から言ってもらうところだったのよ」
「そっかそっか、じゃあ私すごくタイミングが良かったみたいね!」
姉さんが席に着くと、先ほどまであった和やかなムードが消え、ひりついた雰囲気が押し寄せてくる。
「さて、改めてもう一度聞くわ、優くんあなたは誰を選んだの?」
「お、俺は・・・俺は、玲狐が好きです!!」
お読みいただきありがとうございました。